井口大助は、仲直りをしていない恋人である坂本由香とフェリー旅に出た。月日の流れや環境の違いが何かが変わるだろうと信じて。恋人達の微妙な感覚の違いと、二人の距離を描く短編
大学生である西田昴は、ストーカーの影に怯える持田茜を家に招く。友達である二人は互いの理性だけを信じる薄氷の上に立っている関係だったが……。2024年太宰治賞に投稿した作品。一次選考落ち。
ピアノ調律師として働く安井は、母校からピアノの調律を依頼される。そこで一人の女子生徒と出会う。社会人と女子高生の交流を描き、続けることの意味を問う純文学短編
実家に帰省した成瀬慎二は母親から小中と同級生だった中原淳から手紙が届いていると言われる。実家と周辺を巡る純文学短編
18歳で成人を迎える高校三年生のあたしは、受験勉強を勤しむ石田との会話に揺れる。恋と将来、責任の重さを前に戸惑う心を描いた青春短編。
サークルの飲み会の終わりに、もうすぐ卒業する長原さんの自宅に泊まってしまった私。長原さんと接する私は、彼女に昔感じたある感覚を覚える。大学生同士のGL短編
二日連続で同じメニューを作らない主義の唯が、ある日同じ料理の夕食に作った。俺はそのことに違和感を覚えるが全然解決の糸口は見えず……。交際している男女の関係を描く恋愛短編
イベント会社で働く佐々木は、クリスマスイブでも仕事だった。とある喫茶店の二階で開催される催し物を手伝う。日常に非日常を届ける社会人達を描く、お仕事短編
白波坂の洋館と呼ばれる、いくつもの坂の先にある家に住む祖母から遺産とした譲り受けた佐紀。ある日、めぐみという女性が引っ越しの挨拶に訪れる。同性を好きになることの関係を描いた純文学短編
職場の同僚である斉藤春華に旅行に誘われた私は、旅先の温泉旅館で贅沢な時間を過ごす。人を知る装置として使える旅行で、私と春華は互いのことを知る。人との距離感を描く短編。