一次創作

例外の定食

二日連続で同じメニューを作らない主義の唯が、ある日同じ料理の夕食に作った。俺はそのことに違和感を覚えるが全然解決の糸口は見えず……。交際している男女の関係を描く恋愛短編

描かれる夜

イベント会社で働く佐々木は、クリスマスイブでも仕事だった。とある喫茶店の二階で開催される催し物を手伝う。日常に非日常を届ける社会人達を描く、お仕事短編

二十一グラムの行き先

白波坂の洋館と呼ばれる、いくつもの坂の先にある家に住む祖母から遺産とした譲り受けた佐紀。ある日、めぐみという女性が引っ越しの挨拶に訪れる。同性を好きになることの関係を描いた純文学短編

寂しさを紛らわすために

職場の同僚である斉藤春華に旅行に誘われた私は、旅先の温泉旅館で贅沢な時間を過ごす。人を知る装置として使える旅行で、私と春華は互いのことを知る。人との距離感を描く短編。

知りたい?

確定申告を手伝ってもらう柳田京子は、宮内あきのプレゼントに悩んでいた。あきのことを詳しく知ろうとするうちで、京子は彼女のオフが気になるようになり……。仕事と休みのバランスを描く短編

アンダンテの速さ

フリーのピアノ調律師として働く安井の元に、ピアノの音を悪くしてほしい、と解釈できるような依頼が送られる。安井は違和感を覚えながらも、その依頼を受けることにして……。ピアノを巡る社会人女性達の中編。2023年文學界新人賞に送った作品。一次選考落ち

便り

私の元に届く私宛ではない郵便物。美容院の案内、誰かかの手紙、荷物……。宛名は全て、田中明美という人だった。前の住人なのだろうと思う私だったが、次第に彼女のことが気になるようになる。個人と家の関係を描く短編

待ち時間

私はある日から会社の同期である須藤あかりと親しくなった。ゴールデンウィークが終わったある日の休日に、あかりから手伝ってほしいことがある、と自宅に呼ばれる。梅酒を漬けて旬を味わう社会人GL短編

五分以内

出版社に勤務する私は食事を簡単に済ませることが多い。ある夜、自宅近所のスーパーで、事務員として働く同期の須藤あかりと出会う。自炊のアドバイスを受けるが、私には難しく、ある晩、あかりの家に招かれるようになる。社会人とぬくもりを描くGL短編。

過ち

バーで働くきみは客であり友達でもある武藤から、深山撫子との仲を取り持ってほしいと頼まれる。運命と友情と恋愛を描く恋愛短編

二人だけの夜

結婚してから悠々自適に過ごす私は、近所に住む田中葉月と知り合う。ある晩に彼女と食事をする約束を取り付ける。大人達の夜を描く短編。