良くない小説を書き上げてしまった時の対処法の話

スイーツを食べるタイミング」を書き上げましたが、自分としては非常に良くない小説になってしまったな……というのが正直なところです。同じコンセプトで書いた他の作品と比べると、明らかに劣っている、と思わざるを得ません。

2023/10/24現在、改稿しているところですが、何がどう良くないのかをメモ書きやプロット段階から下記に書き連ねて確認したいと思います。供養も兼ねて。日付はメモを作成した日時となっております。

読まれた方によっては、そんなに良くないか? と思われるかもしれません。今までに書いた作品のことを考えると、この初稿よりは全然上手くなれる可能性があったと思っておりますので、書き手としては良くないなぁ……と判断しております。


 

2023/08/13 一次創作の短編のネタ プロット

プロット 方向性

大学生の男女 夏の夜→冬の夜 月が綺麗ですねという告白

女→男を、女視点で描く。

短夜から募る恋心を、長夜に伝える短編。

物語のメインとなるのは、冬の長夜。

夏の夜は短い。好きな人のことを思うとすぐに夜が明けるから。

という冒頭から始まり、夏の夜と秋はさらっと流し、二人の関係を描く。

どうして、男に惹かれるのか、しっかり描写する。(さらっと流して、惹かれる理由描写できるの?)

無意識的な恋心の段階は超えており、意識的な恋心が芽生えている段階。

この思いをどう伝えるかが女の中心的な悩みとなる。展開される物語が越えなければならない課題でもあり、読者に共感させたい部分でもある。

女は、さらっと告白できないタイプ。憧れは憧れのままで保存しておきたい。でも……という最近。

 

この短編で目標にすべきこと

→緩急のコントロール。「来年の思い出」では、不完全燃焼に終わった節あるので。また、「63円の縁」では、転(健二が月を見て、年賀葉書を書こうと決意する)が急過ぎた感が否めない。

何故、今作で緩急のコントロールを目標にできるのか?→今作で緩急をコントロールできれば、描写していないところで女の心理の変化、動きを描けるのではないか。

物語と文章(描かれること)が乖離せず展開されるので、臨場感や説得力が生み出せる。

※そもそも、俺は小説における緩急のコントロールができているのではないか?

読者からすればできている可能性があるので、「より意識的な、読者に不自然を思わせない緩急のコントロール」

しかし、緩急のコントロールといっても二種類ありそう……。

・登場人物の動き(内面含む)による緩急

・文章(描写量)による緩急

両方会得したいが、現状の課題として色濃くあるのは後者か? 前者の緩急はテンポと言い換えることもできそう。

→今作の課題を、テンポのコントロール・緩急のコントロールの会得と二つに分けて考え、書き上げてから振り返るか。より意識するのは後者。

テンポのコントロールするために必要なこと(予想)

女のキャラクター立ち 説得力の補強

何に心惹かれがちで動きがちなのかという描写(説明で、読者に分かりやすく提示して、掘り下げるのもあり?)

会話を重ねて強引にテンポを上げるのも手法としては、あり。ありだが、そんなふうに強引にテンポを上げる二人の物語か??? そういう手法もあるので、使える時は使う。

緩急のコントロールのために必要なこと(予想)

描写量 描写の薄い濃いって何……?

物語の主体となる文章が会話

簡単なストーリーライン

起 女の悩みと恋心の提示

承 告白できない理由と男との距離の縮め方

転 男に告白する

結 男と恋人になる。

要約すると、「恋愛下手な女子大生が、告白して恋人になる短編」

物語の緩急としては、

起 急 物語をすぐに起こし、読者に女がどういうことで悩んでいるのか、解決したいのか明示する。

承 緩 起で起きたことを、じっくり描く。感覚として、ぐっとブレーキを踏んで、のろのろと進む感じ。

※自分のことに対してアクセル踏めるけど、人を巻き込むと慎重になるタイプの女

転 緩? 急? 物語的には、急か。

結 緩

承の「告白できない理由」、どうする?

女子校出身と男子校出身にする?? 安易で作為的過ぎるか?→この設定で書くだけ書くか。

大学に進学しているのならば、別に違和感のない設定なのでは? そういう設定で、何故、女が男に惹かれるのかを描写できれば問題ないのではなかろうか。


 

こうして書き上げられた作品ですが、上手くいっていない部分の方が多いですね。振り返りとしてのテキストは以下の通りです。

2023/09/28 書き上げた振り返り

魅力的なキャラクターではなかった。小畠という男が上手く書けなかった。キャラ立ちミス。佐伯も同様。下手。

本来であれば、12頁ぐらいの説明を省き、描写すべき部分。何故、このキャラクターに惹かれたのかという部分が浅く、ぼんやりとした印象を拭えず、下手な短編となった。

修正箇所としては、

・小畠と佐伯のキャラ立ち。どういう人間なのか、という描写する。俺の中で、小畠をしっかりと設定し、キャラ立ちができてなかった。

→小畠も佐伯も引っ張られるキャラなので、小畠の方を変える。優男だけれど、という方向性にするか。それだと弱いか……?

・説明を省き、描写をする。何故、この男に惹かれたのかという部分が弱い。

・会話をさせ、二人のことを読者に伝える。

以上三点。

2023/10/05 テーマをはっきりさせよう。

テーマをはっきりさせたら、キャラクターの何をどう描けばいいのか見えてくる。

テーマという表現が漠然として難しく感じるのならば、「この作品で読者に伝えたいことは何か」を考える。

「勇気を持って、自分の言葉で愛を告白する」

佐伯の考えていることをメインにするのではなく、場面を多くして、二人のキャラクター・人間性を強く出す。

初稿では、夏→冬と時間経過を描いていたけれど、この時間経過が作中・読者に良い効果をもたらしているとは思えない。

佐伯が勇気を持てず、今のままの関係を好んでいるのならば、いきなり冬から始めてた方が良いのではないか。共学に慣れるのに一年、小畠に慣れるのに一年。としても、十分に伝わる。伝えられる能力や技術は有している。

二人の関係性は変わるが、佐伯個人の「何が」変わるのも書けていない。主人公として、物語の語り手としてどうなったのか、描けていない。

奥手で臆病な、恋に恋する学生から、一人の男の子を愛する女の子へと変わる。

小畠の何を魅力と思っているのかも書く。自分とは違い、真面目で勤勉で柔らかく、強く出ないところに惹かれる。


 

そんな次第ですので、改稿を続けております。改稿した作品は新しい作品として掲載はせず、紙媒体の中で一つの短編として掲載する予定です。

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