※ライターという言葉の内に小説家は含まれていると考えておられる方が多いと思いますが、本記事では別として取り扱っております。
「小説」は10数年書いていますので、小説における文章の書き方は分かるのですが、ライターとして活動していこうと考えた時、その文章の書き方をよく分かっていないな、という考えに至りました。
小説を書けるので日本語は書けますが、小説を書く人間が想定する「日本語が書ける」とライターに求められる「日本語が書ける」・ライターを探している方が求める「日本語が書ける」は微妙に違うと思います。
・ライターは「目的意識がある文章」を書く
・小説で用いる文章はライターに不要
この二つを掘り下げることによって、小説を書いているけれど、ライターとしても活動してみたいという方の助けになれば幸いです。
ライティングのご依頼がございましたら、下記のリンクからご連絡ください。
・ライターは「目的意識がある文章」を書く
最も違いがある部分はここでしょう。「目的意識」というのは、読んだ方の行動や意識を変えることです。読んで、「何か」をさせるための文章です。
「何か」というのは、
・読んでもらうことによる認知(本記事はまずこれです)
・どこかのPV数を上げるため
・表示された広告のクリック
・ライティング依頼への誘導(本記事はこれにも当てはまります)
・メルマガ登録の依頼
・サイト登録への誘導
・依頼された品物の購入への誘導
……等々です。
「何か」というのは、文章が書かれていることになった意味に直結していることでしょう。
小説を書き慣れている方に説明するのであれば、この「何か」は小説における主題だと捉えても良いと思います。より「物語」に近づけるのであれば、登場人物が作中で乗り越えるべき「課題」や「ミッション」と捉えることもできるでしょう。
ライターの方が書かれる文章は、文章を書くことが最初にあるわけではなく、
目的意識がある→文章を書く→読者を興味や関心や共感を抱かせ自然と誘導させる
というプロセスを踏んでます。
この「何か」は、小説には存在しないものです。小説を読んで、「何か」するというのはほとんどないでしょう。
小説における文章は、物語を進めるという点においては「目的」が存在しておりますが、その全ては「物語」のためにあります。説明で然り場面で然り描写で然り。
「物語」が終わりを迎えるまで、その「目的」は続きます。そして、「物語」が終われば、小説における文章の「目的」も終わります。読者に何かをさせることはありません。
小説(フィクション)の世界で、読者に現実を思い出せることはありません。恐竜が現代に蘇ることがなければ、宇宙人が地球に侵略してくることも、機械が意思を持って自ら動き人間に襲いかかることも途中で「嘘の世界」であると分かれば、興醒めも良いところです。
ですが、ライターの書く文章には「目的意識」があり、読んでいる途中や読み終えた時に読者に何かしらの変容を求められます。
どれほど上手い、読みやすい文章を書こうが、「目的意識」を持たせなければ、その文章に意味がありません。
この文章は結局、読者に何をしてほしいのか?
ということを絶えず問いかけながら、ライターとして文章を書き続けていく必要があります。
・小説で用いる文章はライターに不要
文章に違いがあるのは分かったし、実際に書いていこうと考えている方がおられると思います。小説は書いているし文章を書くのは簡単だ、と考えている方でしょう。
ですが、今一度立ち止まって、少し考える余裕を作ることをおすすめします。
ライターとして「何を書くのか」は分かったけれど、「どう書けばいいのか」分からない状態ですので。
上にも書いておりますが、「小説」には「物語」があり、「物語」のために文章があります。
物語における文章は大きく分けると、三つに分解できます。
場面、説明、描写、という三つに。
この三つの要素は、物語の進行スピードと文章量が違います。
場面 物語の進行スピードに対して文章量が均等
説明 物語の進行スピードに対して文章量が少ない(要約している)
描写 物語の進行スピードに対して文章量が多い(物語が動いていない・遅い)
ライターとして書く文章にはいずれもの要素も必要ないでしょう。
また、いわゆる、レトリックも必要ありません。読者の方が文章を理解する妨げになります。
ライターとして文章を書くのに必要なのは、てにをはをとと得た、レトリックを駆使しない分かりやすい文章ということになります。
以上、小説の文章との違いを二つに絞り、掘り下げてみました。
繰り返しになりますが、
・ライターとして書く文章に求められるのは「目的意識」がある文章
・てにをはを整えた、レトリックを駆使しない分かりやすい文章
この二つが、小説の文章との明確な違いです。これからライターとして活動していきたい小説を書く方の助けにになれば幸いです。
ライティングのご依頼がございましたら、下記のリンクからご連絡ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。