書くのをやめるな

昨年は、文學界新人賞に応募しました。中間発表が、2024年の4月号に掲載されます。昨日発売しました。

やはりこの確認の瞬間はいつでも緊張します。そして、確認して、心がふっと軽くなりながら、何故? 何が足りなかったのか? と疑問に突き当たります。

ただ、今回の場合は、これでも駄目なのか……というある種の清々しさすら覚えております。

文學界に、一次選考と二次選考の結果が掲載されるのですが、どこにも僕の投稿した作品のタイトルも僕のペンネームも載ってません。

落選してました。

これまでの作品と比べて自信があった一作だけに良いところまで行っていると良いな、と思っておりましたが、これまで送った作品と変わりませんでした。

悔しいです、非常に。

ですが同時に、不思議な清々しさすらあります。

ここ最近は、小説が上手いとは……ということを考えていたのですが、小説が上手いということと新人賞を受賞してプロの小説家になるということには、僕が思っているよりも遥かに大きな差があるのだな、と痛感して理解して、深く考え過ぎないようにしました。

書き続けたら、自ずと、小説が上手いということとかも分かるだろう。

ただ、まぁ、落選したことを受け入れて次に進む必要があります。

ここで、僕には二つの選択肢があります。

一つは、落選した原稿を使い回して他の新人賞に送る。

一つは、新作を書いて新人賞に送る。

落選したことを受け入れて次に進む必要があるのでしたら、後者一択でしょう。ですが、落選した書き手特有の考えですが、他の新人賞に送ればまた違った結果になるのではないか? というわずかな可能性に縋りたい気持ちはあります。

今回は運が悪かっただけで、他の新人賞ならば……という思考です。分かっています。運ではなく、実力の問題である、と。頭で分かっていても、気持ちの整理はすぐには終わりません。

ここまで書いて、一眠りしました。強引にとりあえず一眠りしてから、考えようと思いました。

そうして、うだうだとどうしよう、と考えたところで、新しい作品が出来上がるわけでもなく、これから書く作品のクオリティーが上がるわけでもありませんということに気づきました。

今回の結果はこの程度であった、と受け止めて、新しい作品を書いて、クオリティーの高い作品を書き続ける必要がありません。

今までとは違う、クオリティーの高い小説を生み出す必要がありますが、どうしたら良いのやら……と悩んでます。まぁ、書いて、振り返って、今後に活かすしかありませんね。

何であれ、書き続けるしかありません。書いて、自分の納得できた作品を送る。それしかありません。

過去の自分が思っていたより、現在の自分は落選したことに凹んでませんでした。きっとおそらく、公募原稿を送ってからも、一万字の小説を書き続けたことによりタフさを得たのだと思います。

小説が上手いことと新人賞を受賞することを分けられたのも大きな進歩だと思います。新人賞を受賞したいか否かと自問しますと、受賞したいですが、そのことと小説が上手いことは微妙な部分において違うな、と自分の中で区切りを付けられました。

近道はない。今年も来年も挑戦していきます。

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