二週間で約一万字の短編小説を一本書き続けた話

九月末〆切の公募原稿が落ち着き、また新たにWebにアップロードできる短編小説を書いております。

今までも何本か短編小説を書き、公開しているのですが、不思議とそのどれもが、

・一万字程度の短編であること

・ネタ出しから公開まで約二週間であること

というものでした。

今書いている短編小説もその範疇に収まるのだろうな、と個人的に考えております。

 

七月後半は秋の同人誌即売会に向けて本格的に動き出す予定ですので、多分、七月後半に小説をアップロードすることはないです。

二週間で約一万字の短編小説を一本書き上げることを目的にしてなかったのですが、不思議とそうなってしまいました。

こんなふうに小説を書きはじめたのは、公募原稿を書くのにどうも肩肘が張り、ぎゅっと力が入った状態で書いていて、普段通りの力を発揮できていない下手だなと思ったためです。何故下手な小説を書いていたのかは今回公募原稿を書き上げて発見できましたが。

肩肘張らない小説を何本か書いて、感覚を取り戻そう、というやつです。そうして書き上がったのが、後書きにも書いております通り、「社会人百合短編集」です。

この二週間で約一万字の小説を一本書くというやつですが、書いていて分かるのですが、書きやすいです。

何をどう書こうか、と悩んでいる時間が少なくなります。一万字程度ですので多くの展開は詰め込められませんし、詰め込むと展開がおかしくなりますので、大体分かりやすい話になる傾向にあります。

自分は、「昔話の形態学」をベースに小説のプロットを考えており、すなわち「登場人物が行って・帰ってくる」・「登場人物の変化」を物語で描くようにしております。前者につきましては、物語の最小単位と考え、信奉しております。

物語の骨格を考えましても、そこに登場する人物、人物同士の関係。地の文で表現することや会話は全ての短編で異なります。大体自分の中で過不足なくそういうことを書けたなという頃合いが一万字程度。

こうして書き上げた短編小説ですが、自分はクオリティーというものを気にしてません。どうしてかと言いますと、上に書きました通り、肩肘張らずに小説を書くこと、を第一の目標にしていたためです。

今書いている話も、クオリティーという部分はほとんど気にしてません。クオリティーよりも気にしているものは、自分の書く小説・文章・物語展開・言い回しの癖や欠点、今後気をつけなければならない部分です。これは書き上げないことには分かりません。書いている途中ではいくらでも変更できるからです。

一本の最高の小説を書き上げるために、何本も小説を書いて質を上げようと試みている状態、と言えるかもしれません。ただ自分は、一本の最高の小説を書き上げるのを目的にはしてません。一本の最高の小説を書けたら、次からはその最高の小説を書き続けられるようにしよう、と思っております。今もそうです。

自分で言うのはおこがましいかもしれませんが、今回の公募原稿は自分が今まで書いてきたどの小説よりも上手いと信じております。何故、そう思っているのか過去作との違いを指摘することも可能です。過去作との指摘もできますので、そういう部分に気を付ければ、より上手い小説を書くことができるのだな、と実感しました。

まぁ今書いている小説は、上手い小説の幻影を追いかけている、と気づき、強張った小説となってますが……

この二週間で一万字の小説を書き上げるということを続けておりますと、自然と以下のことがサイクルとして出来上がります。

作品を一本書き上げて、振り返って(時として批評を受けて)、次の作品に活かす。

その連続です。

その行為を絶え間なく続けるために、一定期間で一定量の長さのある小説を書く必要があります。

可能であれば、一万字を一週間で書き上げられるようにしたいです。ですが、まぁネタ出しとプロットの部分で難しいだろうな、と考えております。

二週間全てを小説を書くために使っているのではなく、仕事したり、インプットをしたりして焦ることなく書き上げられる期間が大体二週間。というだけですので。書くスピードを上げれば良いかもしれませんが、無理せず無茶せず書けるのが、一日に大体三千字です。

一万字程度という長さの部分ですが、これ以上短くなることはないだろうなと考えております。

短くすることも可能なのですが、不必要に短くまとめてしまいますと、書いている時にこれで良いのか……? という違和感が生じてしまいます。これくらいの長さで物語をまとめれば、自分の書く小説について分かります。何が足りていないのか、何を多く書きがちなのかとか……

一万字以上の物語を展開しようとした時も、どうすればいいのかというのは考えられます。プロットから考えるのでその分時間を要しますが、まぁ何とかなります。

そんなわけで今後も小説を書いていこうと思います。

この作品をSNSでシェア