『アンダンテの速さ』

フリーのピアノ調律師として働く安井の元に、ピアノの音を悪くしてほしい、と解釈できるような依頼が送られる。安井は違和感を覚えながらも、その依頼を受けることにして……。ピアノを巡る社会人女性達の中編。第129回文學界新人賞に投稿、一次選考落ち

『便り』

私の元に届く私宛ではない郵便物。美容院の案内、誰かかの手紙、荷物……。宛名は全て、田中明美という人だった。前の住人なのだろうと思う私だったが、次第に彼女のことが気になるようになる。個人と家の関係を描く短編

『待ち時間』

私はある日から会社の同期である須藤あかりと親しくなった。ゴールデンウィークが終わったある日の休日に、あかりから手伝ってほしいことがある、と自宅に呼ばれる。梅酒を漬けて旬を味わう社会人GL短編

『五分以内』

出版社に勤務する私は食事を簡単に済ませることが多い。ある夜、自宅近所のスーパーで、事務員として働く同期の須藤あかりと出会う。自炊のアドバイスを受けるが、私には難しく、ある晩、あかりの家に招かれるようになる。社会人とぬくもりを描くGL短編。

『過ち』

バーで働くきみは客であり友達でもある武藤から、深山撫子との仲を取り持ってほしいと頼まれる。運命と友情と恋愛を描く恋愛短編

『二人だけの夜』

結婚してから悠々自適に過ごす私は、近所に住む田中葉月と知り合う。ある晩に彼女と食事をする約束を取り付ける。大人達の夜を描く短編。

『誠に勝手乍ら』

金曜日の二十一時の純喫茶広瀬は、大学生の孫である広瀬渉がコーヒーを淹れる。私は仕事の疲れを癒すように足を運び、一息を入れる。働くことと休むことを描く、社会人と大学生の交流を年の差恋愛短編

『固執』

きみは友達である高宮から、共通の知り合いである林のことを話される。友情と恋愛との間で揺れ動く男女の関係を描いた二人称短編。

『明日のことを考えないように』

五月のゴールデンウィークに札幌で桜を見る旅行に連れ出された宮内あきは、同伴者である柳田京子と自らを比較してしまう。将来や休みのことなど……上手く休めない社会人を解きほぐすGL短編

『真夜中の会合』

佐藤は仕事終わりに酒を飲んだある夜、終電で終点まで寝過ごしてしまった。帰ろうにも帰れず途方に暮れていると、駅員である内田と出会う。上に立つ者、下で働く者の関係を描く短編。