春に読みたい、出会いと再会のGL短編四選

出会いと別れの季節でもある春は、再会の季節でもあります。
そんな季節に似合う、GL短編を四つ選びました。

私達は今でも


――こういう朝が訪れることを、きっと私は心のどこかで望んでいたのだと思う。明日なのか明後日なのか、来週なのか、今月なのか、再来月なのか、今年中なのかは分からないけれど、いつか訪れてほしいと望んでいた。望んでいないというのは、きっと嘘になる。もっといえば、私が望んでいたのは、きっかけだ。――

大学生である私と新社会人として社会へ飛び立つ長原さんとの別れを描く短編。

五分以内


――「手料理を食べた方が良いこともあるから」――

社会人として働く渡辺あゆみは、残業の終わりで寄ったスーパーで、同じ会社で働く事務員の須藤あかりと出会う。
慌ただしい社会の中で手料理を食べる、出会いと再会の短編。

明日のことは考えないように


――宮内あきが視線を上げると、円な桜の花が視界一杯に広がる。青空の元で花開き、薄い花弁が麗らかな陽の光を受けて、透けて見える。都内では花と葉が別に出るのだけれど、ここの桜は花と赤っぽい葉の芽が同時期に出る。花の色も薄いピンク一色の都内の桜と比べて、濃い。赤い、と言っても過言ではないのかもしれない。ここで咲く桜は、都内で花開く桜とは違う品種であるらしい。――

ゴールデンウィークの北海道への旅行、柳田京子という会社の外の友達……。宮内あきを取り巻くその時々。
仕事と休み、それから……。日常の中で非日常に出会う短編。

二年目の憂鬱


――五月病なのだろう、きっと。――

恋人である伊藤舞が新社会人として働いているのを見守る私。ゴールデンウィークを挟み、どうも不調な様子……。
働くことを見つめ直す再会の短編。

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