【PR記事】国語辞典と類語辞典の選び方と使い分け|小説を書く人のための最初の一冊

※本記事は、ChatGPTとの対話をもとに構成・加筆・再編集したものです。文章構成や分析の整理に生成AIを使用していますが、内容の検討・修正・引用選定・加筆は筆者自身が行っています。

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誰向けの記事なのか

この記事は、小説を書いている、あるいはこれから書こうとしている方の中で、「言葉に詰まることが増えてきた」と感じている方に向けて書いています。

同じ言葉を何度も使ってしまう。

別の言い方に変えたいのに、思いつかない。

ニュアンスを少し変えたいのに、その差を言葉にできない。

「この言葉で合っているのか分からない」

「もう少し適切な言葉がある気がする」

そう思いながら、そのまま書き進めてしまうこともあると思います。

検索すれば言葉は出てきます。生成AIに聞けば、それらしい表現も返ってきます。

それでも、どこか自分の文章として馴染まない。そう感じることもあるはずです。

この状態の時、「どの辞書を使うか」「どう引くか」は、単なる道具の問題ではありません。書き方そのものに関わってきます。

この記事を読んで分かること

  • 国語辞典と類語辞典の役割の違い
  • 小説を書く時にどちらを先に使うべきか
  • 類語辞典を「言い換え辞典」で終わらせない考え方
  • 書き手が「何を変えたいのか」を意識する重要性

■ 本記事で扱う辞典の紹介

本記事では、以下の辞典等を実際の使用感をもとに扱っています。

【国語辞典】
新明解国語辞典(アプリ版:第七版)
岩波国語辞典(紙媒体版:第八版)

【類語辞典】
新明解類語辞典
新装版 使い方が分かる類語例解辞典
角川 類語新辞典(アプリ版)

※いずれも、僕自身が実際に使用しているものをもとに書いています。

僕自身、小説を書いていく中で、語彙の不足や言い換えの難しさに何度も引っかかってきました。

この記事では、その実感をベースに、僕が書く時に使っている複数の国語辞典・類語辞典をもとに、「何を揃えればいいのか」「どう使い分けるのか」をできるだけ具体的に整理していきます。

前半では「何を揃えるか」「辞書は何をしてくれるのか」を扱います。

後半では「実際にどう使うのか」「どう使い分けるのか」を具体的に見ていきます。

一万字を超えた長い文章ですので、気になる部分だけ拾い読みしても使えるように書いています。

※本記事では、僕自身が日常的に使用している辞書(アプリを含む国語辞典二冊、アプリを含む類語辞典三冊)を取り上げています。ここで挙げていない辞書については、評価や比較は行っていません。

■ まず何を揃えればいいのか

小説を書いていると、言葉に迷う場面が出てきます。

同じ言葉を繰り返してしまう。別の言い方に変えたいが思いつかない。そうした場面で、言葉を調べるようになります。

検索すれば言葉は出てきます。生成AIに聞けば、それらしい表現も返ってきます。

その中で「辞書を使うべきなのか」「そもそも買う必要があるのか」と迷うこともあります。

この記事では、実際に小説を書いている立場から、「何を揃えればいいのか」「どう使い分けるのか」を整理していきます。

※本記事で扱う辞典のサイズ区分は、一般的な分類に基づいています。
辞典は大まかに、
・大型辞典(日本国語大辞典)
・中型辞典(広辞苑など)
・小型辞典(学校や家庭でよく使われる一般的な国語辞典)
に分かれます。
本記事で「国語辞典」として想定しているのは、このうちの「小型辞典」です。
多くの人が思い浮かべる、普段使いの国語辞典のサイズ帯にあたります。

結論から言えば、最初に揃えるのは以下で十分です。

小型の国語辞典 一冊

まずはこれで足ります。

類語辞典は、最初から必須ではありません。

実際に書いていく中で、同じ語の繰り返しが気になり始めた、意味は合っているが、もう少し細かく言い分けたくなった、強さや距離感まで意識して表現を選びたくなったと感じた段階で、追加すれば十分です。

順番としては、最初に国語辞典→必要を感じたら類語辞典です。

辞書の役割

まず整理しておきたいのは、辞書が何をしてくれるのか、という点です。

辞書は「正解を出す道具」ではありません。

書くための材料を増やす道具です。小説を書くときに求められているのは、正しい言葉を一つ選ぶことではありません。
その場面に最も適した表現を組み立てることです。そのためには、複数の選択肢が必要になります。辞書は、その選択肢を提示してくれるものです。

辞書が提示するのはあくまで単語です。

小説は単語ではなく、文で成立します。

言い換えれば、辞書は「点」を提供します。小説はその点をつないで「線」を作る。この前提を外すと、辞書はうまく機能しません。

辞書に載っている言葉をそのまま当てはめても、それが文章として機能するとは限りません。言葉には意味だけでなく、文体、強度、使われる場面が含まれています。

辞書を引いて得られるのは答えではなく、候補です。その候補をどう扱うかで、文章の質はかなり変わります。

■ 国語辞典の役割

国語辞典の役割は、言葉の意味を確認することです。

単純なようでいて、実際にはかなり重要な作業です。小説を書いていると、「なんとなく知っている言葉」を使ってしまうことがあります。その「なんとなく」が、微妙なずれの原因になります。

国語辞典を引くと、その言葉が持っている本来の意味や用法が見えてきます。知らない言葉を調べるためだけのものではありません。

本当にこの言葉で合っているのか、似た言葉との違いは何か、どの程度の強さや範囲を持つ語なのか。こうした確認で使うことの方が多いです。

例えば、「言う」という言葉一つを取っても、その中にはかなり幅があります。単に発話することなのか、呼称することなのか、慣用表現の中で使われているのか。

国語辞典を引くと、その言葉が指している範囲や働きを整理できます。

辞書によって定義の書き方が違うのも重要です。用例を多く並べて語の広がりを見せる辞典もあれば、意味の区分を整理して骨格を見せる辞典もあります。同じ言葉でも、どのように捉えるかに違いが出ます。

これは、単に語彙を増やすというより、「誤用を減らす」「精度を上げる」という役割に近いです。

小説を書く上では、派手な言い換えよりも、まず言葉の使い方がずれていないことの方が重要です。

その土台を支えているのが国語辞典です。

類語辞典の役割

類語辞典の役割は、言い換えの選択肢を増やすことです。

この役割は国語辞典とは少し段階が違います。国語辞典が「その語で合っているのか」を確かめる道具だとすれば、類語辞典は「合っていると分かった上で、さらにどこを動かすか」を考える道具です。

小説を書いていると、同じ言葉を繰り返してしまう場面があります。もう少し適切な言い方があるはずだと感じる場面もあります。そういうときに類語辞典は機能します。

ここでも重要なのは、並んでいる語をそのまま置き換えればいいわけではないという点です。

例えば、「言う」という言葉を類語辞典で引くと、語る、述べる、呟く、告げるといった語が並びます。どれも「言葉を発する」という点では共通しています。

中身は違います。

・語る → 内容のまとまりや継続性

・述べる → 客観的・説明的なニュアンス

・呟く → 声量や距離の近さ

・告げる → 相手に伝える意図

類語辞典は、こうした違いを「一覧」として提示してくれます。どの語を使うかは自動的には決まりません。似ている言葉の集合を見せる。

選ぶのは書き手側です。重要になるのが、「何を変えたいのか」を意識することです。強さを変えたいのか、文体を変えたいのか、行動に寄せたいのか。この軸が曖昧なまま言い換えを行うと、文章に違和感が残ります。軸がはっきりしていれば、類語辞典はかなり強い道具になります。

類語辞典を使っていると、単純な言い換えだけでは終わらないことも多いです。そもそもこの表現でいいのかと考え直すきっかけになることがあります。

「言った」と書こうとしていた場面が、「黙った」や「視線を逸らした」といった別の表現に置き換わることもあります。

類語辞典は、言葉を置き換えるためだけではなく、発想そのものを広げる役割も持っています。この段階に入るのは、国語辞典で「今の語が何を意味しているのか」を押さえた後です。

最初の一冊として国語辞典を勧めるのは、そのためです。

国語辞典と類語辞典は、役割が違います。

・国語辞典 → 言葉の意味と輪郭を確認する

・類語辞典 → 表現の選択肢を広げる

どちらも「正解」を出すものではありません。「選べる状態を作る」ための道具です。その選択をどう行うか。

そこが小説を書くという行為そのものになります。

辞書を引くタイミング

辞書の役割と同じくらい重要なのが、「いつ辞書を使うか」です。

僕の場合、初稿を書いている段階では、ほとんど辞書を引きません。まずは最後まで書き切ることを優先しているためです。

書いている途中で言葉に迷い始めると、その場で立ち止まってしまいます。全体の流れも途切れやすくなります。そのため、多少表現が粗くても、そのまま先に進むようにしています。

赤入れや推敲の段階では、辞書をかなり使います。その場面でやりたいことや意図を一度書き出す。その上で、この表現で本当に合っているのか、もっと適切な言葉はないかを確認するために辞書を引きます。

まずは国語辞典を引きます。意味がずれていないか、その語の範囲に本当に収まっているかを確認するためです。

意味は合っているが、もう少し言い方を調整したいと感じた時に、類語辞典を引きます。より適した表現はないか、強さや距離感を少し動かせないかを見るためです。

僕の中での順番は、最初に国語辞典→必要なら類語辞典です。

辞書は、書くための道具というより、「書いたものを整えるための道具」として使うことの方が多いです。

国語辞典はどれを選ぶか

国語辞典は、どれを選んでも大きく間違うことはありません。ただ、書き方には違いがあります。

僕が実際に使っているのは、iPhoneの辞書アプリに入れている新明解国語辞典(使用は第七版/現在は第八版が提供)と、紙媒体の岩波国語辞典第八版です。複数持っている理由は、紙とアプリで携帯性や利便性が異なるからだけではありません。辞書そのものに、それぞれ特色があるからです。

新明解国語辞典は、編者の視点が色濃く出ています。定義の文章そのものに独特の味があります。言葉を確認するだけではなく、読んで面白いと感じる場面もあります。辞書を引いているのに、少し読み物を読んでいるような感覚になることがあります。その面白さは、主観の強さでもあります。

意味を整理して確認したい時には、やや説明に色がついていると感じることもあります。

岩波国語辞典は、比較的フラットです。意味が整理されていて、言葉の輪郭を把握するのに向いています。余計な味が薄い分、「この言葉は何を指しているのか」を静かに押さえたい時に使いやすいです。

僕の中では、読み物的にも楽しみたい場合は新明解、実用として使いたい場合は岩波という分け方になっています。どちらが優れているかではありません。どう使いたいかで選ぶのがいいです。

辞書は一冊ですべてを賄うというより、自分の書き方や引き方に合うものを見つける方が大事だと思います。

■ 同じ言葉を複数の国語辞典で引いてみる

ここで、実際に同じ言葉を複数の国語辞典で引いたときに、どのような違いが出るのかを見てみます。

例として、小説を書く時によく使う「言う」という語を取り上げます。

新明解国語辞典第七版で引きます。ここでは用例の広がりが分かる部分を中心に、一部を引用します。

⁑い・う⓪
一【言う】(他五)
㊀〈(だれニ)なにヲ━/(だれニ)なんだト━〉思ったこと・感じたことや他に伝えたいことなどを言葉で表わす。
「率直に言って」
「口で━ほど簡単ではない」
「苦情を━〔=述べる〕」
「本音を━〔=吐く〕」
「泣き言を━〔=訴える〕」
「頭痛がすると━〔=表明する〕」
「彼は何も言わなかった〔=△発言(批評)しなかった〕」
「何かと━〔=あれこれ うわさをする〕」
「お礼を━〔=述べる〕」
「君のことを言って〔=話題にして〕いたんだ」
「言わぬが花」
「…と言えなくもない」
「━に及ばず」

㊁〈(なにヲ)なんだト━〉あるものを…と呼ぶ言葉で表現する。
「彼のような男を『目から鼻へ抜ける』と━」

二(自五)〈なんだト━〉

㊀そう表現出来る音が聞こえ(て来)る。

「がんがん(と)━〔=響く〕音がする」

定義を読むと、「思ったこと・感じたことや他に伝えたいことなどを言葉で表わす」とあり、単なる発声ではなく、「内側にあるものを外に出す行為」として整理されていることが分かります。用例が非常に多いです。

「苦情を言う」「本音を言う」「泣き言を言う」といったように、内容の種類ごとに使われ方が変わる。さらに、「口で言うほど簡単ではない」「言うに及ばず」「言わぬが花」といった慣用的な表現も多く含まれています。

この語が単なる「発話」ではなく、内面にあるものを外に出す行為であること、内容によって性質が大きく変わること、慣用表現や比喩の中でも広く使われることを含んだ、かなり広い語だということです。

さらに、「言う」には、発言する、呼称する(〜と言う)、音として表現される(音が〜と言う)、状態や性質がそれに該当するといった複数の働きが含まれています。一つの語の中に、これだけの使い方が同居しているのが見えてくると思います。ここを押さえずに使うと、「言う」という語は便利すぎる分、どこかで雑に使われやすくなります。

逆に言えば、この語の範囲を把握しておくだけで、どの「言う」なのか、本当にこの語でいいのかという判断ができるようになります。

新明解国語辞典の定義は、行為の性質、用例の広がり、語の持つ機能の多さをまとめて提示してくるため、この語がどこまで使えるのかという範囲を一度に把握しやすいです。

岩波国語辞典 第八版で同じ語を引きます。意味の整理のされ方が分かる部分のみを引用しています。

い一う【言う・×云う・×謂う】〔五他自〕(他五)

①言葉に出す。
▷音声に出す(例、「何かぶつぶつ一」)のにも文字で表す(例、「論文に一ところは」)のにも使う。(3)に近い用法もある。→いいじょう・いいかもしれない・いわずかたらず・いわずもがな・いわでも・いわば(言)

・心に思うこと、聞き及んでいること、分かったことを言葉で表す。「君はそれを一・っていたんだな」
・《「……を……とー」等の形で》……を……と呼ぶ。名づける。「あのような人を名人とーんだな」
・《「……と一・われる」の形で》一般……と考えられる。「世界一と一・われる方法」

②《擬音語に付いて》物が音を立てる。「戸ががたがたー」
③慣用表現または形式的用法。

意味はより簡潔に整理されています。余計な感情や状況の説明は抑えられていて、何が起きているかが過不足なく示される構成です。

新明解と並べて見ると、この違いはかなりはっきりしています。

新明解は、用例を大量に並べることで、「言う」という語がどれだけ広い場面を抱え込んでいるかを見せてきます。それに対して岩波は、まず「言葉に出す」という中心を置き、その後に「呼ぶ」「一般にそう考えられる」「擬音語に付く」「慣用表現」といった形で、意味や用法を整理していきます。

つまり、新明解は用例の多さで語の広がりを見せる、岩波 は意味の区分で語の骨格を見せるという違いがあります。

新明解は、この語はこれだけ広く使われると感覚的に掴ませてくる辞典です。岩波は、この語にはこういう働きがあると整理して理解させる辞典です。

同じ「言う」を引いているのに、見えてくるものが少し違うわけです。

国語辞典を実際に書く場面でどう使うか

ある場面で「彼は言った」と書こうとして、少し軽い気がする。あるいは、何も考えずに置いてしまったが、どこかしっくり来ていない。

そう感じたとします。

新明解を引くと、「言う」という行為が、「内面にあるものを言葉として外に出す行為」であることが見えてきます。さらに、用例の多さから、この語がどれだけ広い場面をカバーしているかも分かる。

ここで一度立ち止まることになります。この場面で書こうとしているのは、単に情報を伝えているのか、感情が漏れているのか、相手に向けた意図があるのか……どれなのか。「言う」で済ませてしまっていいのか、それとも、もう少し性質を限定した方がいいのか。新明解は、この「方向の判断」を考えさせるための材料になります。

岩波を引くと、今度は違うことが起こります。こちらでは、「言う」という語の働きが整理されていて、心に思うことを表すのか、あるものをそう呼ぶのか、一般にそう考えられているという形なのかといった区分が先に見えてきます。

今自分が使おうとしている『言う』は、どの用法に当たるのかを確認しやすいです。新明解が「この語は広すぎるのではないか」と考えさせる方向に働くとすれば、岩波は「今の用法は何か」を整理させる方向に働きます。


この二段階を踏むと、「言う」という便利な語をそのまま置くのではなく、これは感情の吐露なのか、単なる説明なのか、相手への伝達なのかと一度分解して考えられるようになります。

その結果、「彼は言った」から、「彼は短く告げた」、「彼は言い淀んだ」、「彼は声を落として呟いた」といった具合に、場面の性質に合う語へ動かしやすくなります。ここでやっているのは、単なる言い換えではありません。その発話は何なのか、どの程度の強さなのか、どの距離感で行われているのかを一度分解して、語を選び直しています。

このプロセスを挟むだけで、「とりあえず言った」で済ませていた部分に、意図が乗るようになります。

複数辞典を持つ意味

同じ言葉でも、辞書によって見え方が変わります。一冊だけでも十分に使えます。

複数の辞書を引くと、使い方の方向、意味の範囲、今どの用法を使っているのかを別の角度から確認できるようになります。これは、単に情報量が増えるというより、「判断の精度が上がる」という効果に近いです。

類語辞典はどれを選ぶか

ここからは、類語辞典の話に移ります。

ここで前提を一つはっきりさせておきます。類語辞典は、最初の一冊として全員に必須というものではありません。

国語辞典で言葉の意味や輪郭を確認しながら書いていく中で、同じ語の繰り返しが気になり始めた、意味は合っているが、もう少し細かく言い分けたくなった、強さや距離感を意識して表現を選びたくなった。そういう段階で追加すると、かなり効いてきます。

最初の類語辞典として勧めやすいのは、見出し語から素直に引ける類語辞典です。

僕の中では、その具体例が新明解類語辞典です。

類語辞典は数がありますが、入りやすさはかなり大きいです。迷ったときにまず開けること、今書いている文章に引きつけながら考えられること。この二つが揃っていると、実際の執筆で使いやすいです。

同じ言葉を複数の類語辞典で引いてみる

国語辞典の時と同じように、「言う」を例として使い、複数の類語辞典で引いたときの違いを見てみます。類語辞典は一括りにされがちだけれど、実際に引くと性格がかなり違います。

何が違うかといいますと、並び方、語の質、そのまま使えるかどうかという三点で分かれます。

まずは新明解類語辞典で引きます。

この辞典は五十音の索引から入れますが、全体は三部(自然・人間・文化)構成になっており、その下に十八ジャンルを設け、さらに分野、領域、語群と細分して五段階のレベルで整理しています。

「言う」は、
・大分類:文化
・中分類:学芸
・小分類:言語
の中の「発言」にあります。

索引から入りやすい。

その先も比較的追いやすい。

最初の類語辞典として勧めやすいのは、この「入口の分かりやすさ」が大きいです。

iPhoneの辞書アプリに入れている角川類語新辞典は、また少し違います。

「言う」を引くと、まず「発言」というまとまりの中に置かれています。その上で、言う、曰く、物言う、話す、語る、物語るといった語が並びます。さらに一覧を見ていくと、単に類語が横に並んでいるというより、「発言」という一つのまとまりの中で、近い語が段階的に配置されているのが分かります。

「言う」は最も基本的な語、「話す」はやり取りを含むニュアンスが出る、「語る」「物語る」は内容のまとまりや重みが出るといった形で、発話の性質が少しずつ変わっていく流れが見えます。また、「言うに言われぬ」「言うに足りない」といった慣用的な表現も同時に出てくるため、「単語としての言い換え」だけではなく、「どういう形で使われる語なのか」まで一緒に確認できる構造になっています。

単に候補を出すだけではありません。同じ「言う」という行為の中でも、どれくらい内容を持たせるのか、どこまで相手との関係を含めるのか、どの程度の強さやまとまりを持たせるのかといった差を、一覧の中で自然に比較できるようになっています。

この並びを見ていると、「言う」を別の語に置き換えるというより、「この発話はどのタイプなのか」を先に考えることになります。

結果として、「どこを変えたいのか」を意識しながら選べる状態になる。ここが、この辞典の強いところだと思います。

ポケットサイズの類語辞典は違います。

発言する、陳述する、言及するといった硬い語が多いです。語数も少ないですが、さっとした確認には使える。文章にそのまま置くには距離が出ることが多いです。

新装版 使い方が分かる類語例解辞典』でも引きます。

この辞典にも五十音索引はあります。見出し語から入れないわけではありません。

ただ、引いた先の作りがかなり違います。

新明解類語辞典が、索引から入ってそのまま類語を追いやすい辞典だとすれば、類語例解辞典は、索引を入口にしながら、最終的には概念の中で語を見る辞典です。

意味の似た語をグループ化して、
・10の大分類
・20の中分類
・計200分類
に分けられています。

「言う」は、
・大分類:6 文化
・中分類:12 発言
・分類番号:612-01

に分類されています。そこから、発言に関する語が75語まとめられています。そうして、次の中分類である「議論」へと続きます。

使い勝手だけで言えば、類語例解辞典はやはり軽くありません。どこに置かれているかを意識する必要がありますし、文字も小さいです。一覧性も高いとは言いにくく、速さでは不利です。

その分、語を単独で見るのではなく、周辺の語との関係ごと見せてくれます。

「言う」が「発言」に入り、その先に「議論」が続く。これだけでも、一方的に発すること、やり取りとして交わすことの違いが見えてきます。

語の候補をすぐ出す辞典というより、語の位置を理解する辞典です。

類語辞典を実際に書く場面でどう使うか

「彼は言った」と書いた場面。もう少しニュアンスを変えたい。この段階に来る前に、僕はまず国語辞典で「言う」という語の意味や範囲を確認します。意味としては合っているのですが、まだ何か足りないと思った時、そこではじめて類語辞典を引きます。

新明解類語辞典を引きます。まず、入りやすい。索引から入りやすい。今書いている文章に引きつけて、そのまま候補を見ていきやすい。最初の類語辞典として勧めやすい理由は、ここです。迷ったときにまず開けます。

角川を引きますと方向が見えます。
語る → 重い
述べる → 客観
呟く → 小さい
告げる → 伝達
といった中から選べます。

類語例解辞典を引きます。ここでは少し違うことが起きます。索引から「言う」には入れる。ただ、その先では「発言」というまとまりの中で語を見ることになります。これは説明か、伝達か、会話か、やや距離を持った発話なのか。候補を拾うというより、「そもそも何をしている発話なのか」を考え直すことになります。

新明解類語辞典は、普段使いの入口になりやすい。角川は候補を広く出す。類語例解辞典は、語の位置づけを見せて判断を補強する。

役割が違います。

複数の類語辞典を使う意味

類語辞典は「語を増やす道具」であると同時に、「選び方を考える道具」でもあります。

一冊だけでも機能します。複数持っていると、それぞれの役割がはっきり分かれてきます。最初の類語辞典として入りやすい(新明解類語辞典)、語を広く出す(角川類語新辞典)、違いを理解する(新装版 使い方が分かる類語例解辞典)、素早く確認する、あるいは以前なら持ち運びの補助にする(ポケット類語辞典)。

類語辞典を複数持つ意味は、単に語彙を増やすことではありません。

「なんとなく選ぶ」から「理由を持って選ぶ」へ移るための補助線を増やすことにあります。同じ「言う」という語を引いても、まず入りやすさが欲しいのか、すぐに候補を見たいのか、違いを知りたいのか、概念ごと整理したいのかにより向いている辞典は変わります。

この違いが分かってくると、類語辞典は単なる言い換えの道具ではなく、言葉の選び方そのものを鍛える道具になっていきます。

ただ、ここに来るのは、再三書きますが、国語辞典だけでは足りないと感じてからで十分です。

同じ会社の辞典と、別会社の辞典を併用する理由

ここまでで分かる通り、僕は新明解の国語辞典と類語辞典の両方を持っています。同じシリーズで揃えている理由は単純です。言葉の捉え方に一貫性があるからです。国語辞典で意味を確認し、類語辞典で言い換えを探すとき、前提となる「言葉の見方」が揃っていると、判断がぶれにくです。新明解で国語と類語の両方を持っているのは、その一貫性が使いやすいからです。

それでも、他社の辞典も併用しています。

国語辞典では岩波。

類語辞典では角川や小学館のものを持っています。

理由は、それぞれに見え方の癖があるからです。

同じ言葉でも、新明解は使い方やニュアンスが前に出ます。岩波は意味の輪郭が整理されるという違いがあります。

類語辞典でも同じです。新明解類語辞典は最初の類語辞典として入りやすく、普段使いしやすいです。角川は候補を広く眺めやすいです。小学館の類語例解辞典は概念の中で位置づけるといった役割が分かれています。

一冊だけでも使えます。

複数の辞典を引くことで、この言葉はどう使うのか、そもそも何を指しているのかを別の角度から確認できるようになります。語彙が増えるというより、「判断の精度が上がる」感覚に近いです。

紙とアプリでの違い

紙は寄り道が起きます。「言う」を引いたのに、「黙る」が目に入ることがあります。発話しない選択肢が出きます。

アプリは速いです。一直線です。その代わり、寄り道しません。

迷っているときは紙。

決まっているときはアプリ。

ここに類語例解辞典が加わると、

普段使いの入口 → 新明解類語辞典
広く候補を出す → 角川類語新辞典
概念の位置関係を理解する → 類語例解辞典
持ち運びの補助 → ポケット類語辞典

という形で役割が整理されてきます。

Webやアプリの辞書を使うという選択もある

最近では、Web検索で言葉を調べる方も多いと思います。例えば、Weblio、コトバンク、goo辞書といった辞書系サービスを使えば、意味や用例をすぐに確認できます。

まずここを入口にしている方も多いはずです。

僕自身、家で書く時は紙の辞書を使い、出先ではスマートフォンの辞書アプリや、こうしたWebサービスを使うことが多いです。これらは同じ「辞書」でも、使ったときの思考の動きが違います。

紙の辞書は、「調べる」という行為が一度止まります。手に取って、ページを開いて、目的の語を探す。その間に、「何を調べようとしているのか」が整理される。その状態で語に向き合うことになるので、「なんとなく調べる」ということが起きにくいです。一覧性もあります。目的の語の前後にある語や、似た語が同時に視界に入る。探していた語が本当に必要なのか。別の語の方が適切ではないか。思考が横にずれる。この「寄り道」は、執筆ではむしろ有効です。

一方、スマートフォンの辞書アプリは寄り道が起きません。入力すれば、その語の意味や用例に一直線に到達する。この速さは、執筆中にはかなり重要です。その代わり、「今の語で本当にいいのか」を疑う余地は少ない。今書いている語を前提に、そのまま確認して、そのまま戻る。思考が修正されることはあっても、方向が変わることは少ないです。

整理すると、紙は思考が横にずれるということがあり、アプリは思考が縦に進むという違いがあります。

スマートフォンにはもう一つ特徴があります。注意の制御が自分に委ねられることです。辞書を引くために端末を開く。同時に、他のアプリや通知への導線も開かれる。一度流れると、元の文章に戻るまでに時間がかかる。紙にはこの問題がありません。

Web検索は、さらに性質が違います。答えに最短距離で辿り着くための道具です。どの辞書を参照しているか。どういう定義の切り分けがされているか。それを意識せずに読み進められてしまう。辞書以外の情報も同時に表示されます。言葉ではなく、情報を読み始めてしまうこともある。必要な語だけを確認するつもりが、別の話題に引っ張られる。

こういうことが起きやすいです。

僕自身、出先では検索より辞書アプリで済ませることの方が多いです。どの語を確認するかを、自分でコントロールしやすいからです。今のところ、使い分けはこうなっています。家で書く時は紙(思考を横にずらす)、出先で書く時は辞書アプリ(流れを止めずに確認する)、ピンポイントで確認したい時 はWeb検索(答えを素早く取る)。

辞書を選ぶ時に大事なのは、どれが最も高性能かではありません。どの道具が、自分の思考をどう動かすか。そこを見て選ぶ方が、文章には効きます。

生成AIとの比較

2026年現在では、検索だけではなく、生成AIで十分ではないのか、と考えている方もいると思います。

結論から言えば、それぞれ役割が違います。

・紙辞書 → 言葉を広げる
・辞書アプリ → すぐ引く
・Web検索 → 早く答えに辿り着く
・生成AI → 条件付きで候補を出す

生成AIの特徴は、条件を与えるとそれに応じた答えを返してくれることです。

「怒りの表現を教えて」と聞くだけでもそれなりの答えは返ってきます。

「恋人に裏切られた直後で、怒りを抑えようとしている人物の表現」と条件を付けた方が、ずっと使いやすい候補が出てきます。

生成AIは、条件を与えると精度が上がる道具です。

ここでは、辞書と同じように「言う」という言葉を、生成AIで出力してみます。例として、普段使っているChatGPTを使います。「言うの言い換えを教えて」と聞くと、語る、述べる、呟く、告げるといった語が出てきます。さらに、誰に向けて、どの強さで、どんな感情でといった軸で選ぶと精度が上がる、といった説明も付いてきます。

ここだけを見ると、類語辞典と似たことをしているように見えます。

実際に使うと違いが出ます。生成AIは、それらしい候補をまとめて出します。語同士の差は、基本的に自分で判断する必要があります。

語ると述べるの違い、呟くと告げるの違いは明示されないことも多いです。文脈を与えない限り、どれを選ぶべきかまでは踏み込ません。

出てきた語をそのまま使うと、文体が浮いたり、強度がずれることがあります。

条件を付けると、この精度は上がります。例えば、「好きな相手に対して、少し距離を保ちながら話す場面での『言う』の言い換え」と聞くと、告げる、伝える、口にするに加えて、静かに告げる、言い淀む、少し視線を外して口にするといった、場面に近い候補まで出てきます。ここまで来ると、確かに使えると感じる場面も増えます。

それでも残る問題があります。その言葉が、その人物に合っているのか、その場面の温度に合っているのか。これは生成AIでは決まりません。僕自身、生成AIで候補を出したあとに、この語の意味は本当に合っているか、強さや文体は適切かを辞書で引き直すことがよくあります。

ここで役割の違いがはっきりします。生成AIは、条件に応じて候補をまとめて出す。辞書は、その候補の意味や差異を自分で確認させる。

自分が何を探しているのかがはっきりしている場合、生成AIは強いです。条件を与えれば、かなり近いところまで出してくる。逆に、まだ言葉になっていない違和感を扱う場面では、辞書の方が強い。

意味を確認したり、周辺語を眺めたりする中で、「自分が探していたのはこれかもしれない」と気づくことがあるからです。

検索は最短距離で答えに辿り着く道具です。生成AIは条件付きで候補を広げる道具です。辞書は、まだ名前のついていない違和感を扱う道具です。僕の中では、この三つは競合ではなく、役割が分かれています。

最終的に文章を整える段階では、やはり辞書に戻ることが多いです。生成AIが出してきた言葉が本当に合っているのか。意味やニュアンスを確かめるためです。生成AIは辞書の代わりというより、前後に置かれる補助輪に近いです。

今のところは、そういう位置づけです。

まとめ

本記事では、小説を書くための辞書の選び方について整理してきました。

結論としては、最初に揃えるのは小型の国語辞典一冊で十分です。

国語辞典は、言葉の意味と輪郭を確認するための道具です。まずここを押さえるだけで、文章の精度はかなり変わります。

類語辞典は、その次の段階にある道具です。同じ語の繰り返しが気になり始めた、意味は合っているが、もう少し細かく言い分けたくなった、強さや距離感まで意識して選びたくなった。

そう感じたときに追加すれば十分です。

ただ、この段階まで進むと、語彙では解決しない問題が出てきます。

単語は合っているのに、文章として違和感が残る状態です。

このときに扱うことになるのが、助詞や文型といった接続の問題です。

この領域については、別の記事でまとめています。

順番としては、最初に国語辞典を一冊。必要を感じたら類語辞典を一冊追加する。

まず必要なのは、国語辞典です。類語辞典は、その次の段階で役立つ道具です。

国語辞典は、言葉の意味と輪郭を確認するための道具です。類語辞典は、表現の選択肢を広げるための道具です。

どちらも「正解を出す」ものではありません。

「選べる状態を作る」ためのものです。

その選択をどう行うか。

そこが小説を書くという行為そのものになります。

紙・辞書アプリ・Web検索・生成AIも、それぞれ役割が異なります。

・紙 → 発想を広げる
・辞書アプリ → 作業を止めずに引く
・検索 → 早く答えに辿り着く
・生成AI → 条件付きで候補を出す

これらを使い分けることで、無理なく言葉と向き合うことができます。

ここまで読むと、「結局かなりの数を持っているのでは」と感じるかもしれません。用途ごとに使い分けていると、手元の辞書は自然と増えていきます。ただし、最初からこれらをすべて揃える必要はありません。

まずは国語辞典一冊を持つところから始める。その上で、必要に応じて類語辞典を足していく。

その順番で十分です。

以下は、実際に僕が日常的に使っている辞書です。最初の一冊、あるいは次の一冊を選ぶ際の参考になれば幸いです。

・国語辞典

・岩波国語辞典 第八版
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・新明解国語辞典(iPhoneアプリ・使用は第七版/現在は第八版が提供)
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・類語辞典

・新明解類語辞典
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・新装版 使い方が分かる類語例解辞典
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・角川類語新辞典(iPhoneアプリ)
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・ことば選び実用辞典
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