特典「裏話」の例

私達は今でも」のコンセプトや主題等です。

コンセプト

残り430ml」や「二年目の憂鬱」で描いた二人が出会い、恋をして、結ばれるのを描く短編

→2024/12/23 連作にするには限界がある。これまで書いた二人の物語とするのではなく、新たに二人の女子大生を登場させ、その二人で物語を展開させる。

描かれる夜」や「薄氷の下は」を書き上げた時のフィードバックとして、主人公のキャラ立ちの弱さ・主人公が主人公として動かせていない課題があるため、今作では主人公として動かせるようにする。

主題

同性を好きになるということ。何故、彼女なのか? ということと向き合い、答える。同性を好きになることがおかしくないことを描く。

同性愛と社会の関係を描く。

→「21グラムの行き先」で描けなかった部分の掘り下げか? 佐紀が区切りをつけられたところを、私が悩む。私はどういう答えを出す?

佐紀が切り捨てられたもの(仲間や家族といった共同体)を、私は切り捨てられない。どうしたらいいのか分からない。

→2025/01/05 先輩に告白し、同性愛者であることを二人が話す部分を掘り下げる。「21グラムの行き先」では描けなかった部分は、このパーソナルな部分だと思う。佐紀はここをエゴで押し倒せた。貫いた、とも言える。

私達で答えを出す短編にする。

2025/01/05 メモ

語り手である私が、先輩の家で朝を迎える。ならば、もっと五感を使って、先輩のことを知ろうとするはず。五感を使って、書く。密な描写が、先輩が好きだと告白する部分に繋がる。家でも、気を違う先輩に踏み込む私を描ける。

プロット

「私」の一人称で進行させる。

どこを転にするか? このまま書き進めると、物語として弱くなる。一般的に考えて、転になるところから書き進める? しかしそうすると、この物語の転が弱くなるか。

何を転にしたい? 物語の盛り上がりの頂点をどこにしたいか考える必要あり。→現状の転は、私が同性を恋愛対象として見ていると気づく場面か。しかしこれは、弱い。

他に転にできる部分あるか?→プロットをもっと考える必要あり。

主人公が主人公として活躍できるような物語にする。ここ最近(「描かれる夜」や「薄氷の下は」)では、物語としての面白さに欠けている。

今作の課題として、ここを克服する必要あり。手癖で書くと、物語の盛り上がりに欠いたものになってしまっている。

何か大きな展開・変化を用意させる必要あり。しかし果たして、それは何?

一つの可能性としては、作者には結果が見えているので、面白味に欠けていると思っている?

俺は、学生を主人公にした時、「社会」との関係が希薄になりがち。ソーシャルな部分を削ぎ落とされ、パーソナルな部分にのみ落ち着かせて、物語の起伏を殺してしまう。

本作ではソーシャルな部分を残しながら書いていく。

2025/01/05 ソーシャルな部分から、社会へと向かっていく女性達は何を捨て、何を残すのか。大学生である私達の物語を描く。次のステップへと進む私達。

私から私達にする力があるのが主人公か。

語り手。大学生。普通に友達とか仲間に恵まれる女性。成人済み。大学三年生

これからのことをどうしようと思いながら、長原のことを気にする。その気にかけ方が、自分が男性よりも女性が好きだと自覚する。

長原さん

※作者が癖を出した女性にする。黒髪、内巻きマッシュショートで眼鏡をかけた、クールな女性。

大学四年生。就職は決まっており、卒論も終えた女性。

黒髪マッシュショート。

要領良く生きているクールめな女性。

自分が女性が好きだということを隠している。隠しているから、大学で孤立していることが多い。外に知り合いか多いと思われがちな人。

自分がこういうふうに隠しているから、私の気のかけ方に友達以上の恋情があることに気づく。

男性との恋愛が今まで上手くいかなかった経験があり、自覚する。

社会人として生きて行くためには、大衆化、多数派になる必要があると思っている。就活で学んだ。

物語は、先輩の家で展開する。時間だけが進む。

私が二人で朝を迎える。どうしてこうなったのか? と思いながら、私と先輩の関係を簡単に明らかにしていく。

※先輩の家、しっかりと描写する。語り手が私であり、私が先輩のことを思っているのならば、しっかりと描写しても全然おかしくない。

先輩との距離を縮めていく。遅めの昼食を作り、食べる。普通の日常を楽しむ二人。

私が同性が好きであると自覚する。自覚したが、それで良いのか? と思い悩む。

先輩も自分と同じように同性を好むことに気づく。先輩に告白するが、先輩が断る。社会人になるからとかそういう理由で。

私はそれでも良いと言い切る。

振り返り

2025/01/07

書き上げた。全文はこちら

プロット通りには展開できなかった物語だった。それはそれとして、主人公が魅力に欠ける可能性がある。長原さんという女性が想定よりも殻に閉じこもり、「私」が彼女を救い出すのが難しかった。もっと、情を前に出せば、長原さんと結ばれる展開はあったのだろうか。いやでも、大学四年の「私」と新社会人の長原さんが付き合い続けるのは難しいのでは……。

2025/01/08  説明を少なくした方が良い。物語の最初は説明多くても良いけれど、後半は説明少なくする。描写、会話で物語を引っ張る。それができる能力があるのだから、それでいける。

説明を終盤、あるいは転から、入れないように意識する。それまでにキャラ立ちができていれば、不要。

特殊な状況下以外での説明はいらない。本作の場合、大学四年が就活を受けるのはよくあることなので説明しなくても分かる。

この次に書かれた作品が「割れた唇」です。