※本記事は、ChatGPTとの対話をもとに構成・加筆・再編集したものです。
文章構成や分析の整理に生成AIを使用していますが、内容の検討・修正・引用選定・加筆は筆者自身が行っています。
目次
・誰向けの記事なのか
この記事は、
「生成AI 小説 つまらない」
「ChatGPT 小説 書き方」
「AI 小説 書けない」
といった言葉で検索している方に向けて書いています。
生成AIに小説を書かせてみたい方。
あるいは、実際に書かせてみたものの、「それっぽいけれど、なぜか面白くない」と感じている方に向けた記事です。
・筆者と生成AIの距離感
本論に移る前に、筆者である僕と生成AIの距離感、所謂どういう立場なのか、ということを明らかにしておこうと思います。
僕は、生成AIをよく使います。
ChatGPTに課金し、日常的に使い倒しています。
単なる興味ではなく、実際の制作や執筆の中で使い続けてきました。
思考の整理、小説のネタ出し、プロットの相談、PR記事の雛型作成などには、かなり使っています。
この文章も、生成AIに書かせています。僕が普段書く文章よりも、改行が適度に取られ、行間が広く、接続詞が多く、文章の繋がりなどをスムーズに、読みやすくしているのが分かると思います。ですので、読み慣れた方からすれば、どこに僕の文章を足したのかも分かるかもしれませんね。
話を戻しますが、僕は、生成AIそのものを否定したいわけではありません。便利な道具だと思っています。
ただ、使っているうちに、何度もこう思うようになりました。
「これら、小説の本文を書くのにも使えるのでは?」
実際に何度も試しました。
その時の記録や実際の作品は、以下にあります。
・「京言葉にや、猫が住む」
しかし、今では、小説の本文を書く用途には生成AIを使っていません。
純文学に限らず、ライト文芸やミステリーでも試しましたが、結論は同じでした。
つまりこれはジャンルの問題ではなく、「小説を書く」という行為そのものに対して、生成AIが構造的に適していない、ということです。
ネタ出しや整理には使う。
けれど、本文を書くところは自分でやる。
そういう距離感に落ち着いています。
この記事では、なぜ僕が「生成AIは小説の本文を書くには向いていない」と考えるようになったのかを書いていきます。
結論から言えば、生成AIは文章を書くことはできます。
小説に必要な、物語を進めながら、その中で登場人物の本音や関係を揺らして、結果として魅力的に見せる(いわゆるキャラ立ちさせる)ことが苦手です。
同時に複数のことをしないといけないので、どちらをどのように優先すればいいのか分からず、推量に推量を重ね、破綻します。そんな失敗のパターンを何十と見ました。その度に、何故、失敗したのか? 何が難しいのか? ということを繰り返し尋ねました。
生成された文章は、形としては小説に見えても、読んでみるとどこか薄く、説明的で、刺さらないものになりやすい。
(筆者注釈※ここまで敬体、ですます口調で出力されていましたが、ここで崩れていますね)
以下、その理由を順番に整理していきます。
■生成AIは「文章」は書けるが「小説」は書けない
まず前提として、生成AIは文章を書く能力自体は高いです。
文法的に破綻しない。
読みやすい。
一定の文体も保てる。
そのため、一見すると「小説も書けているように見える」状態にはなります。
ただし、ここで問題になります。
小説とは、文章の良し悪しだけで成立しているものではないという点です。
小説は、文章ではなく「構造」で成立しています。
生成AIは、この構造を維持することが苦手です。
■小説に必要な構造とは何か
小説は、文章を通じて読み手を操作するものです。
「次を読みたい」「最後まで読みたい」と思わせる流れは、偶然ではなく構造として作られています。
では、そのために何が行われているのか。
かなり単純化すると、書き手は次のような操作をしています。
最初に、登場人物の言葉や行動の意味がはっきりしない状態を作る。
ただし何も分からないのではなく、「こういう意味かもしれない」と複数の解釈が浮かぶ状態にしておく。
その状態を、会話や行動を通じて維持する。
はっきりとは言わせず、少しずつズレるように進める。
そしてある場面で、それまでの言葉や行動の意味が変わるように配置する。
新しい情報を足すというより、「同じ情報の見え方が変わる」形にする。
最後に、その行動がなぜ起きたのかが流れとして理解できる状態にする。
説明するのではなく、「そうするしかなかった」と読者が感じる形に持っていく。
重要なのは、「何が起きたか」ではなく、「それがどういう意味だったのか」が変化することです。
■① 意味がはっきりしない状態を作る
最初にやるのは、登場人物の言葉や行動の意味を、あえてはっきりさせないことです。
ただし、何も分からない状態にはしません。
・好意にも見えるし、距離を取っているようにも見える
・親切にも見えるし、押し付けにも見える
・近い関係にも見えるし、どこかよそよそしくも見える
といったように、複数の解釈が同時に成立する状態にしておく。
読者は「分からないまま」ではなく、いくつかの可能性を持ったまま読むことになります。
ここで作っているのは、「謎」ではなく「揺れている意味」です。
生成AIは分かりにくく、抽象的な表現ばかりで色々と書いていますが、読者は物語の続きを期待しているわけです。
この後に何が起きるんだろう。どういう展開が待っているんだろう。という、あれです。
■② その状態を崩さずに進める
次にやるのは、その揺れている状態を崩さずに物語を進めることです。
情報は出しますが、意味は確定させない。
例えば、
・同じ言葉を、別の場面で少し違う意味に見せる
・同じ行動を、別の人物から見ると違って見えるようにする
・会話の中で、本音を言い切らせない
こうすることで、読者の解釈が一つに固まらない状態を維持する。
ここで重要なのは、「引っ張ること」ではなく、決めさせないまま進めることです。
■生成AIがここで崩れる
生成AIは、この段階で処理を変えてしまいます。
・意図を説明する
・感情を言い切る
・分かりやすくまとめる
つまり、読者に任せるはずの解釈を、先に確定させてしまう。その結果、複数あったはずの見え方が一つにまとまり、「読みやすいが、揺れない文章」になります。
■③ 同じ情報の見え方を変える
小説では途中で、新しい情報を足すのではなく、すでに出ている情報の見え方を変える操作が行われます。
・あの言葉は別の意味だった
・あの行動は別の意図だった
・あの関係は別の前提だった
読者はここで、それまで読んできた内容を読み直すような感覚になります。
この「読み直し」が、小説の快感になります。
■生成AIは「説明」を足す
生成AIは、この部分で別の処理をします。
・理由を追加する
・背景を説明する
・感情を言語化する
つまり、情報を足して理解させる方向に進みます。
しかし小説で必要なのは、すでにある情報の意味を変えることです。
ここが一致していないため、
「理解はできるが、再解釈は起きない」状態になります。
■④ 行動に至る流れを作る
最後にやるのは、理由を説明することではなく、その行動に至るまでの流れを作ることです。
登場人物は、最初からはっきりした理由で動いているわけではありません。
・相手の言葉を少し誤解する
・言い返さずに飲み込む
・そのまま関係が続いてしまう
こうした小さな選択が積み重なっていきます。
その結果として、途中で別の選択肢を取りにくくなっていく。
引き返せた場面がいくつもあったはずなのに、それを選ばなかったことが積み重なり、最後には一つの行動にしか行き着かない状態になります。
ここまで来て初めて、読者は「そうするしかなかった」と感じます。
■生成AIは動機を“説明”する
生成AIは動機自体は出せます。
しかしそれは、
・最初から分かっている
・最後に説明される
という形になります。
つまり、動機が過程ではなく結果になる。
そのため、読者は納得はできても、体験はできません。
■これはとあるジャンルに限った話ではない
ここまで話してきたことは、とある特定のジャンルに限ったものではありません。
特定のジャンルに当てはまる技法ではなく、「小説を書く」という行為そのものに共通する構造です。
登場人物の言葉や行動の意味が揺れたまま進み、ある地点で見え方が変わり、最終的に一つの理解に収束する。
この流れがあることで、読者は読み続け、最後まで辿り着きます。
つまり、小説とは「意味が変わっていく過程」を書くものです。
■結論(ここまでの整理)
生成AIは、文章を書くことはできます。
しかし、
・意味を保留する
・複数の解釈を同時に維持する
・関係に圧力をかける
・意味を反転させる
といった、小説に必要な構造を維持することが苦手です。
その結果、小説になる前に「説明」に変換されてしまう。
これが、「それっぽいけれど面白くない」と感じる理由です。
ここまでが構造の話です。
では、「プロンプトや修正で何とかなるのではないか」という疑問についても触れておきます。
■プロンプトや修正で解決できるのか
ここまで読んだ方の中には、
「それはプロンプトが悪いのではないか」
「もっと細かく指示すれば解決するのではないか」
と思う方もいるかもしれません。
結論から言うと、ある程度までは改善しますが、根本的な解決にはなりません。
実際に、かなり細かく条件を指定して試しました。
・意味を確定させないように書く
・会話で本音を言い切らない
・同じ言葉に複数の解釈を持たせる
・最後に意味が反転する構造にする
といったように、小説の構造そのものをプロンプトに落とし込んで指示を出すこともできます。
また、出力された文章に対して、
・説明的な部分を削る
・感情を言い切っている箇所をぼかす
・会話をズラす
といった修正を何度も重ねることもできます。
しかし、この方法には限界があります。
まず、プロンプトで構造を指定すると、今度はそれが「説明」として出てきます。
「意味を曖昧にするように」と指示すると、曖昧にする意図が説明として書かれてしまう。
「反転を作る」と指示すると、反転ではなく「実は〜だった」と説明される。
つまり、構造を指示すると、それをやろうとしている文章が出てくる。
これは構造を実装しているのではなく、構造を説明している状態です。
次に、修正を重ねる方法についてです。
一文単位で直していけば、それなりの形にはなります。
ただし、小説は一文ごとの正しさではなく、
・前の発言との関係
・場面全体の流れ
・後の展開との接続
といった、広い範囲の整合性で成立しています。
そのため、部分的に直していくと、
・別の箇所と矛盾する
・関係の流れが切れる
・意味の揺れが消える
といった問題が発生します。
結果として、「直しているはずなのに全体として崩れる」という状態になります。
実際に「京言葉にゃ、猫が住む」という作品では、何十回と修正を重ねましたが、最終的には「最初から自分で書いた方が早い」という結論に落ち着きました。
つまり、
プロンプトで近づけることはできる。
修正で整えることもできる。
しかし、構造そのものを維持したまま最後まで書かせることはできないというのが実感です。
■実際に生成AIに書かせた例(構造ごとの崩れ方)
ここでは一つの例ではなく、実際に何度も生成AIに小説を書かせた中で、繰り返し現れた崩れ方を、構造ごとに整理して見ていきます。
個々の出来ではなく、「どこで破綻するのか」に注目してください。
拙作「京言葉にゃ、猫が住む」を書く過程で、何万字単位のテキストを使って壁打ちを繰り返しました。
合計すると、およそ九万字から十万字程度のやり取りになります。
期間としては一カ月ほどです。
その中で、生成AIに小説を書かせた時にどのように崩れるのかを、繰り返し確認してきました。パターンとして12個あります。
■① 理由を先に確定させてしまう
「……お母さんに頼まれていたんです」
この一言で、
・行動の理由
・人物の立場
・関係性
がほぼ確定します。
本来であれば、
・善意なのか
・執着なのか
・罪悪感なのか
といった複数の解釈が同時に成立している必要があります。
しかしここで一つに決まるため、以降は「確認作業」になります。
■② 会話が情報伝達になる
生成AIの会話は、
・質問 → 正しい回答
・疑問 → 説明
という構造になりがちです。
例えば、
「どうして、そんなことをしたんですか」
「言えなかったからです」
このやり取りは成立していますが、機能としては説明です。
人間の書く対話は、
・答えない
・言い換える
・ズラす
・誤解させる
といった「圧力」を含みます。
この圧力があることで、関係が動きます。
生成AIはこれを作れません。
■③ 感情が一本に収束する
「分かっていました」
「それでも、続けたかったんです」
このように感情を言い切ることで、
・葛藤の方向
・内面の意味
が一つにまとまります。
本来は、
・分かっていたのか
・分かっているつもりだったのか
・分かってほしかったのか
といった揺れが残るべきです。
ここが固定されるため、後から意味が変わる余地がなくなります。
■④ 最後に説明で終わる
生成AIは終盤で、
・理由
・背景
・感情
をまとめて説明します。
結果として、「理解」はできるが、「再解釈」は起きません。
小説に必要なのは、同じ情報の見え方が変わることですが、ここでは新しい情報が追加されるだけです。
■⑤ 行動が結果としてしか出てこない
生成AIの文章では、
・なぜそうなったか
ではなく
・こういう理由だった
という形になります。
つまり、過程ではなく結果として処理される。そのため、「そうするしかなかった」という感覚が生まれません。
■⑥ 複数の構造を同時に維持できない
小説では同時に、
・物語を進める
・関係を変える
・キャラを立たせる
・読者の解釈を操作する
といった処理が行われています。
生成AIはこれを同時に維持できません。
どれか一つに寄ります。
・分かりやすさに寄る → 説明になる
・雰囲気に寄る → 何も起きない
・展開に寄る → 人物が記号になる
結果として、どの方向でも小説としての厚みが失われます。
■⑦ 文脈を制約として扱えない
人間が書く場合、「さっきこう言ったから、今はこう言えない」という制約が働きます。
しかし生成AIは、その場で最も自然な文を出すという処理をするため、
・発言の一貫性が崩れる
・感情の流れが繋がらない
・判断基準が揺れる
といった問題が発生します。
結果として、人物が「その場の都合で動く存在」になります。
■⑧ 対話に圧力がかからない
人間同士の会話には、
・踏み込ませない
・誤解させる
・あえて言わない
といった抵抗があります。
この抵抗があることで、関係に緊張が生まれます。
生成AIの会話は、
・正しく答える
・整理する
・分かりやすくする
方向に寄るため、緊張が消えます。
結果として、関係が動きません。
■⑨ 時間の使い方が均一になる
小説では、
・重要な場面は引き伸ばす
・不要な部分は飛ばす
という操作が行われます。
生成AIはこれができず、
・すべての場面が同じ密度で書かれる
ため、
・重要な場面が軽くなる
・どうでもいい部分が長くなる
という歪みが生まれます。
■⑩ 選択の積み重ねがない
人間の書く小説では、
・言わなかった
・戻らなかった
・続けてしまった
といった小さな選択が積み重なります。
この積み重ねによって、
「別の選択肢が取れなくなる」状態が生まれます。
生成AIは、
最初から理由を出すか、最後に説明するか
のどちらかになるため、
選択の連続としての流れが作れません。
■⑪ 余白の設計ができない
小説では、
・全部は言わない
・しかし分かるように置く
というバランスが重要です。
生成AIはここで、
・言いすぎる → 説明になる
・言わなすぎる → 意味不明になる
のどちらかに寄ります。
中間が維持できません。
■⑫ 言葉の二重性を保持できない
例えば、
「もう間に合うてますさかい」
という言葉は、
・気遣い
・拒絶
の両方の意味を持ちます。
小説では、このような言葉を「確定させずに保持する」ことで、後の反転が成立します。
生成AIはこれを一つに確定させてしまうため、
意味の反転が起きません。
■まとめ(実例の拡張)
ここまでの崩れ方をまとめると、生成AIの文章は次のようになります。
・理由を先に確定させる
・会話が情報伝達になる
・感情が一本にまとまる
・最後に説明する
・行動が結果として処理される
・複数の構造を同時に維持できない
・文脈を制約として扱えない
・対話に圧力がない
・時間の強弱がない
・選択の積み重ねがない
・余白を設計できない
・言葉を一つの意味に固定する
その結果、文章としては正しいが、小説としては機能しない状態になります。つまり、「読めるが、体験にならない」という形に落ち着きます。
■最終結論
生成AIは、小説の材料を出すことはできます。
しかし、
意味を保留すること
複数の解釈を同時に維持すること
関係や選択を積み重ねること
同じ情報の見え方を変えること
といった構造を維持できません。
その結果、小説の文章になる前に、分かりやすい説明文へと変換されてしまう。
これが、「それっぽいが面白くない」と感じる理由です。
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