生成AIとショート動画で文学の入り口を作れるか試している

一部、過去に公開した「入り口を広くしようとしている話」と重複するかもしれませんがご了承ください。

誰向けの記事なのか

この記事は、小説を書いている人、投稿サイトへ作品を掲載している人、SNSで作品を告知している人、読まれないという感覚を味わったことがある人に向けて書いています。

特に、作品は投稿しているけれど、人が来ないという状態に心当たりがある人には、近い話になると思います。

僕自身、カクヨムpixivHPに小説を掲載しています。

投稿直後はSNSでの告知もあってかPVが少し動くことがあります。

五PV、十PV……。

でも、その後、一週間近くPVが0のまま止まることは普通にあります。

SNSで告知をしても、良いね、リポストはされますが、投稿サイト側のPVはほとんどありません。

HPは生成AI関係や雑記の考察にアクセスは集中しますが、そこから小説が読まれることは稀です。ほとんどありません、と言えます。具体的な数字を出しますと、百人が「「一次創作が売れない」「文フリで売れない」を考察する話」という記事を読み、その内の一人や二人が、記事内にリンクとして掲載している「弾かれたもの」にアクセスされる。

昨年のHPの年間pv数よりも、noteの年間pv数の方が1.5倍ぐらい多いです。

そんな程度です。

自分は公募に向けて書いているからそれで良いと思いたいですが、そういう割り切りも中々に難しいものがあります。

自分の小説が下手なのかもしれない。需要がないのかもしれない。誰にも必要とされていないのかもしれない。そう考えて、書くことを辞めてしまう人もいてもおかしくないと思われます。

一人でも読者がいるから書き続けられる人間も世の中にはいると思われますが、少数派だと思われます。

そういった事情から、僕は最近、Youtubeのショート動画やInstagramのリール動画を使い始めました。

Youtubeのチャンネルはこちら

Instagramのアカウントはこちら

バズりたかったわけではありません。

小説へと辿り着く入口を増やしたかったためです。

なぜショート動画を使い始めたのか

今のSNSは、文章を読む前段階のメディアとして機能している気がしています。YouTube Shorts、Instagramのリール、X……。

短い映像や画像が流れ続ける場所。

本来、小説はそれらと相性が悪いジャンルだと思います。数万文字読む、集中する、行間を追う、想像する……。かなり体力が必要です。

だからといって、小説の入口を何も作らなければ、存在そのものが認識されない。

そこが今の難しいところだと思っています。投稿サイトへ掲載する、SNSでURLを貼り、告知や宣伝をしたところで、読まれる確率は高くないと思います。

Xの場合は、文字数ですと1ポストあたり最大で140字程度ですし、スクショなどで貼れる画像の枚数も多い訳ではありません。その限られた字数や枚数で、作品を読まれるようにするのは、至難の業なのではないでょうか。

読まれないという話をすると、どうしても、作品の質や文章力や才能の話だけに寄りがちです。もちろん、それも関係はあります。面白い作品の方が読まれやすい。文章が上手い方が残りやすいことは、否定できません。

ただ、最近は、それ以前の問題もかなり大きい気がしています。

そもそも存在を認識されない。

今は、誰でも簡単に作品を公開できる時代です。同時に、膨大な作品が並んでいる時代でもあります。

読者側からすると、知らない作品を読む理由が、かなり必要になるのではないでしょうか。

知らない作者、知らない世界観、数千や数万の連続した文章の数々。これは思っている以上に心理的コストがあります。しかも、アニメや映画などの配信のように、何かをしながら、ということはできません。テキストを読んでいる間は、ゲームをすることもできません。

特にスマホ中心の環境では、その傾向が強いと思います。短い動画、短い画像、短い文章。

長文が読めないというのを見聞きした覚えがありますが、僕達書き手やテキストを読むことに慣れた層はその長文をもしかすれば、数万字と解釈するかもしれませんが、2000字や1000字を長文であると解釈されている可能性は全然あると思います。

そういうものが生活導線の中心にある中で、いきなり小説へ入ってもらうのは、かなり難しいです。

だから最近は、作品の空気だけでも先に渡せないかと考えるようになりました。小説全文を映像化したいわけではありません、朗読動画を作りたいわけでもありません。

一文、空気、間といったものをショート動画で先に見せる。気になった方が、概要欄やプロフィールから本文やHPへとアクセスする。

今は、その入口を試しています。

実際にどう作っているのか

そこまで凝った動画を作っているわけではありません。かなり簡素です。

小説の本文を元に生成AIに出力させ加工もさせた背景画像、本文から抜き出した象徴的な数行、フリーで使える静かなBGM。

Youtubeの運営からしてみれば、生成AIで制作した量産型のショート動画と何一つ変わらないように見えるかもしれません。

Canvaでテンプレを作り、一文ごとにページを分けています。

文字は中央、背景は暗め、余白を広めにします。表示時間は、一文につき五秒前後。短い文なら三秒から四秒。余韻を残したい文なら、もう少し長めとしています。

文学系の動画は、情報を見るというより、読む速度を作る感覚に近い気がしています。

映像技術よりも、どの一文を選ぶかの方が重要でした。映像そのものより、一文選びの方が圧倒的に空気を左右するということです。どの文章を抜き出すか、どこで切るか、どの余白を残すか、でかなり印象やイメージが変わります。

同じ作品でも、抜き出す一文で印象が全然違います。静かな小説に見えることもありますし、恋愛小説に見えることもありますし、不穏な話に見えることもあります。これは同時に、一つの小説から、複数のショート動画を作れることを意味していますね。

ショート動画は、作品紹介というより、入口の設計に近い感覚があります。

背景画像には、生成AIも使用し、加工も指示しています。AIそのものを見せたいわけではありません。小説本文の描写を元に、空気を補助するために使っています。

実際、概要欄には、

動画制作(背景画像)の一部に生成AIを使用しています。映像は、小説本文の描写を元に制作しています。小説本文は筆者によるオリジナル作品です。

と書いています。

AIで作品を自動生成しているわけではなく、小説を補助するための道具として扱っています。

テンプレ化について

ショート動画を継続しようと思うと、テンプレ化は必要でした。

毎回ゼロから作っていると、動画制作や編集に時間が割かれてしまい、小説を書くという本来の目的に使える時間が減ってしまいます。

ですので、フォント、サイズ、背景構成、表示時間、最後の導線は、ある程度固定しています。固定し過ぎると、いわゆる量産AI動画に近づいてしまう危険もあります。

YouTubeは、再利用コンテンツ、自動生成感の強い動画、同じ構図の大量投稿をかなり警戒しています。

収益化していなくても、インプレッション低下、表示抑制、最悪アカウント停止の可能性はあります。Googleと連携していますので、これでアカウント停止などされると、非常には困りますね……。

効率化し過ぎないことも意識しています。作品ごとに空気を変える必要があるでしょうし、文章ごとに間を変えたり、BGMを変える必要もあるのではないでしょうか。

テンプレを使いながらも、作品ごとの差は残す。そこは崩さないようにしています。

小説を書く人間にとって大事なのは、動画そのものではなく、文章へ戻ってきてもらうことだと思っています。

僕にとってショート動画は、作品の代替ではありません。

文学へ辿り着くための入口です。

実際に投稿して感じたこと

2026年5月16日の朝に、初めてショート動画を投稿しました。

同日の夜時点で、少なくとも再生数は0ではありませんでした。

これは、自分の中では結構大きかったです。小説投稿サイトでは、一週間PVが0というのがありますので……。

ショート動画は、とりあえず誰かのタイムラインへ流れる。再生されたから読まれるとは限りません。再生数が多くても、本文へ来なければ意味が薄いです。再生数が少なくても、一人が長く読んでくれるなら、その方が小説としては大きいこともあります。

存在を認識されるという点では、ショート動画はかなり強いです。

再三となりますが、僕はショート動画を「作品」ではなく、「入口」として使っています。

小説が主、動画が従です。

そこは、今後も変えません。

まとめ

小説は書けば読まれるものではありません。特に純文学寄りの作品は、入口がかなり弱いです。読むまでのハードルが高いと言い換えることもできます。

最近は、PR記事、Shorts、Instagramリール、Xを使って、小説へ辿り着く導線を作っています。

生成AIも使っています。AI動画を量産したいわけではありません。

文学へ辿り着く入口を増やしたい。小説の空気を、少しだけ先に渡したいだけです。

まだ試行錯誤の途中ですが、誰にも存在を知られない状態からは、一歩外へ出られた気がしています。

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