先日、東方projectの二次創作作品を投稿しました。
約三万字の物語。
普段組んでいる組版に流し込むと、文庫約80頁という長さです。
きっと普段でしたら、同人誌として頒布しようと考えていたと思います。この話を書いている時には、度々、同人誌として頒布しても良いかもしれないな……と思ったことは度々あります。
ですが書き上げますと、二次創作の作品としてWebで公開しても良いかなと思うようになり、Webで公開しました。
同人誌として頒布する物語、二次創作としてWebで公開するだけの物語。この二つにどういう違いがあるのか書き記していこうと思います。
簡単にまとめますと、物語の長さ、物語を書いている時期と即売会までの時間という二つの理由が同人誌にするか否かというものに関わってきます。
今後も物語の長さと即売会までの時間をみながら、Webに投稿するか同人誌として頒布するか考えていこうと思います。
・物語の長さ
出藍文庫は過去に一作しか長編小説を頒布しておりません。
残りは合同誌でして、そうして片手が足りる程度に残った個人誌はいずれも文庫で100頁程度の物語で短編集です。
中には100頁にも満たない同人誌もございますし、100頁を超える同人誌もございますし短編集ではないのもございますが……。
一万字に満たない物語はWEBへ。それ以上となれば同人誌として頒布するか……? という目安を持っています。
組版に左右されることになりますが文庫100頁程度となりますと、三万字以上か三万字程度で大体それくらいの頁数になります。
100頁程度を目安にしておりますのは、僕が短編を書くことを好んでいることもありますが、文庫100頁の物語、文庫100頁に収録された短編集でしたら初めて僕の作品を読まれる方でも読むのに耐えられないこともなければ、書き手の個性を味わえるだろうと考えているからです。
そういう考え方をしているのならば、今回投稿した東方の二次創作は、同人誌として頒布していいのではないか、と思われることでしょう。
実際この物語と幾つかの物語を合わせて収録した短編集として同人誌にする予定は確かに存在しておりました。予定を組んでおりました。
それがどうしてWebでの公開のみにしたのかと言いますと、これが二つ目の理由となります。
・即売会までの時間
同人誌として頒布する気で書いていた物語を書き上げたのは、十一月下旬。冬コミに委託参加も何も予定しておりませんので、次の即売会は年明けのどこかしらの即売会であり、きっと五月の春季例大祭になることでしょう。
まだサークル参加の申し込みすら始まって間もないような春季例大祭。
三、四ヶ月先の即売会です。となりますと、それまでに別の小説を新たに書き上げている可能性が高いです。
そしてもしかすればの話ですが、この物語よりも読者の方に届けたい物語が思い浮かぶかもしれません。
そうなるとこの物語は同人誌として頒布されることはなく、思い浮かんだ新しい物語を同人誌として頒布する可能性は高いですし、その新しい物語に即したサークル参加申し込みをすると思います。
事実、今は別の物語の構想を練っており、春季例大祭にはこの物語を同人誌にするか……? いまでも年明けに文学フリマ京都があったり色々と大変だろうし書く時間を確保できるのか……? と思い悩んでいるところです。
こうして同人誌として頒布するつもりだった物語は、いつまで経っても同人誌として頒布されなくなるでしょう。
そうなるくらいでしたら、Webで公開するだけで十分だなぁ……と考え、公開しました。
・余談:同人誌をしまうスペース
以下は全くの余談です。
Webで過去に頒布した同人誌を公開したり、新刊を全文公開しておりますのは、即売会が始まる前から中身を確認できてから買われた方が良いだろうという考えもございます。
一方で、紙媒体で欲しい方は即売会のスペースに来てもらえれば良いという考えも働いております。
サークル代表の懐具合を考えますと、この紙媒体で欲しい方だけに向けて即売会で対応するというのは気楽です。もっと沢山用意してほしいという言葉につきましては、Webで全文公開しておりますのでそちらでお読みください、とお答えしておりますので。
紙媒体で同人誌が欲しい気持ちが分からないわけでないのです。ですが、同人誌をしまうスペースは無限に存在するわけではありません。
本棚に残る僅かなスペースに同人誌をどうしまうか、と考えたことは何も僕だけではないと思います。
そうやって本棚が埋められ、本棚で壁一面を埋め尽くすようになると、置くスペースがないから買わないという選択を採るのは至極真っ当なことではないでしょうか。
僕も最近では紙媒体の本は買わずに電子書籍で買い、読むことが増えてきました。そういう紙媒体では読まないけれど、スマホやタブレットでならば小説を読むという方々に向けてアプローチできるのではないか。
そんな考えもあり、Webで既刊などを公開しているところもあります。