休む話

公募原稿の改稿を重ねて、後は本当に細かい部分を調整していくだけというところまで来ました。この段階に来たのが八月下旬の頃でした。

少し寝かせ九月に入り、また別の物語を書き始めた時、唐突にふと思いました。何かおかしいぞ、と。

描写がどうこうとか書いている文章がどうとかいうわけではなく、何となく何かのおかしさを自覚しました。本来であれば今週の水曜日に書き上げたかった話を、書きませんでした。書けませんでした、という方が適切かもしれません。書くのを一旦放棄した、というのが最も適した表現でしょう。

唐突に、ぷつりと糸が切れた感覚を覚えたのです。

八月末日から九月一日にかけて、一日中原因不明の頭痛に苦しんでいたのも、四日の水曜日までに書き上げないといけないという重圧に耐えられなかったサインだと思います。

この糸が切れたのを理解してから綺麗に飲酒量が増え、パチンコへのスリップも起きました。

何が僕の身に起きていたのかと言いますと、燃え尽き症候群です。

公募原稿を書く

隔週で習作を書く

毎日書く

この三つが重ならなかった瞬間が、生じたのです。習作のファイルを作り、冒頭を書いて、一息入れた時が、まさしくその瞬間でした。

書かねば、という義務感が発生しているのは事実です。毎日書く、というのを掲げているわけですから。

ですがこの毎日書くというのは、まとまった量を書かねばならないわけではありません。一文字でも一行でも、書いた、という判定になります。

ですので、本来でありましたら、義務感のようなものにはならないはずなのです。

この毎日書くを義務感に仕立て上げてしまっているのは、隔週で習作を書き上げるというものです。つまり、二週間に一度、締切に追われるわけです。

こんな生活を一年半近く、続けていました。公募原稿を書いている時も、です。

燃え尽き症候群になります。当たり前です。休んでいないんですから。

毎日の睡眠で休んでいると思ってましたが、頭と精神は常時フル稼働です。

対策を急速に打ちました。簡単なことです。

九月四日にこういう生活を送って以来おそらく初めて意識的に休みました。

習作の一部は書きました。書きましたが、一行程度です。

趣味だから、好きだから、プロの小説家として活動するのだから……。書く理由を生み出すのは、簡単です。こうやって書いている間も、書く理由を付け加えることは容易でしょう。

ですがそれと同じぐらい、休むことも大事です。

僕は、長く、小説を書き続けたいです。

ですので、よりよく休みます。今後も、明確に休む日を作ります。毎日書くをクリアする必要があるかもしれませんが、原稿用紙の升目を一つ埋めたらオッケーです。あるいは、升目の文字を一つ消し、別の言葉に置き換えればオッケーです

公募原稿を投稿して、今書いている習作を書き上げたら今年は全て休むかもしれません。

というか、休みます。

宣言します、休みます。

休みますので毎日書くのもやめます。

隔週で習作を書くとかもしません。

隔週で習作を書くのは、今年に限った目標でした。昨年の公募原稿を書き上げてから掲げたものです。量をこなして、改稿時のクオリティを上げるためです。

改稿時のクオリティを上げるために、初稿の違和感を言語化する必要があり、違和感の言語化を繰り返すために短編を何作も書き上げる必要があると考え、実行しました。

 

去年の公募原稿後から今年の公募原稿を終えたまでの間です。一区切りついたことでしょう。

 

十二月に入ったら、来年の目標を立てようかな、と思います。

そんな次第です。よろしくお願い申し上げます。

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