ひとり出版社「出藍文庫」 2025年3月月報

ひとり出版社を立ち上げるために動いている話」で、2026年にひとり出版社を立ち上げると宣言してから、約一カ月が経ちました。

仕事をしたり、小説を書いたり、本を読んだりしている普段と変わらないのない日々ですが、その間、何をしていたのか、ということを経営面と実務面の二つに分けて書いていきます。

ひとり出版社「出藍文庫」の運営は、すべて NotionというWebの管理ツールで管理しています。

設立の動機や書籍ごとの在庫や収支、三年計画まで。

ひとり出版社とはいえ、事業として継続するために「書くだけ」で終わらない設計を意識しています。


・経営面

開業届の提出と青色申告の申請

事業としてやっていくぞ、という気がありましたので、開業届を提出しました。同時に、青色申告の申請もしました。まだ2025年の前半であり、随分と早いかもしれませんが、遅いよりは早めに準備しておいた方が良いでしょう。

開業届は今ではマイナンバーカードにより、Webで全てできるようなので、思ったより簡単でした。freee弥生会計で手軽に作成できます。

事業用(屋号付き)口座の準備

口座を分ける必要はないかもしませんが、僕の場合は給料所得がありますので、事業所得と分けて考えた方が楽だろうと考え、事業用の口座を屋号付きで導入しました。生まれ育ち、現在でも暮らしている京都に貢献したい気持ちがありましたので、ネット銀行は用いず、地元の銀行を選びました。印刷所も地元の企業さんに依頼します。

給料所得のいくらかを印刷費などに使う、ということを想定しておりますので、余計とちゃんと分けた方が良いでしょう。

freeeの会計のアプリとの連動を済ませております。これで確定申告が楽になれば幸いです……。楽になってほしいですね。

ISBN取得予定

商業流通を考えますと、ISBNの取得が必要です。

詳細な申請方法は日本図書コード管理センターの公式ページをご覧ください。

ひとり出版社として事業を行っていくぞ、ということを考えると、何点で申請するか、ということを考えなければなりません。

1点は候補にあったのですが、すぐに事業として継続していくことを考えると、それはないな、と却下。10点か100点かの二択に絞ったのですが、長く続けることを考えると100点あった方がお得だろう、と思い、申請や印刷費などのために貯金中です。

十一月頃には申請したいなぁ……と考えております。

損得分岐について

ひとり出版社であれ、事業であることには変わりはないです。赤字が続けば、事業を続けるのは難しくなります。それも何の実績もないアマチュアの小説家となれば、沢山印刷したところで、赤字になるだけでしょう。

何部売れたら黒字になるのか、というのも先に考えておいた方が良いな、と思いました。

小さな出版社のつづけ方(著:永江 朗)」という書籍の中に、

「このあたりの採算点をどう見極めるかが経営者には重要だ。一般的に販売力のある大手は高めで 7 ~ 8割、中小は返品を多めに見積もって採算点を 5 ~ 6割とすることが多い。コストを下げれば採算点も下げられる。採算点設定の間違いは、起業したばかりの小さな出版社がやらかしがちな失敗のひとつでもある。」

という一文があり、半分程度売れたら黒字になる、という分岐点でやっていこうと思います。

・実務面

26年に出版する本は三冊

2026年の一年を通して出版する本は、三冊を予定です。

一冊目は、小説。2024年に文學界新人賞へ投稿した中編。四万字程度です。文學界新人賞の結果は、三次落ち。良いように書けば、二次選考は突破しています。文庫本で百頁程度になるのではないか、と考えております。

文学フリマ京都での頒布も視野に入れております。


二冊目は、HPで公開している短編を何作かまとめて一冊の文庫本にしようかな、と考えております。


三冊目は、ひとり出版社として動いた一年をまとめたエッセイを文庫本にしようかな、と考えております。

印刷部数と事前の全文無料公開


最初から初版1000部などという部数を刷る予定はありません。100部やそれくらいから始めます。安定して読者の皆様の手に渡るようになれば、初版部数を200や300などに増やしていこうと考えております。


出藍文庫で出版する書籍は全て、事前に無料でHPでの全文公開します。ですので、紙媒体で欲しい方もおられれば、Webで無料で読めるのならば紙媒体はいらないとお考えの方もおられると思います。出版社として紙媒体を出版するのは、紙媒体が欲しい方向けです。

判型と価格設計

多くの出版社は、単行本を出版してから文庫本を出版します。ですが、ひとり出版社「出藍文庫」では最初から文庫本で出版します。

200頁や300頁という分厚い長編小説の文庫本ではなく、気軽に手軽に読める150頁程度の短編集です。

価格は税込で1500円。ただ、100頁程度の場合は、税込1000円に変更します。どちらの価格も文庫本の販売価格を見渡しますと、頁数の割には少し高いと思います。

ですが、ひとり出版社であること、部数が少ないということ、純文学系の作品であることを踏まえますとこれくらいの価格でも良いのではないか、と考えております。

文学フリマへの出店

文学フリマへの出店も考えております。関西をメインに事業を続けていこうと思いますので、京都、大阪の出店はするとして、他はどうしようかな……と悩んでおります。東京まで足を伸ばそうかどうしようか……。

文学フリマへの出店を考えておりますので、今までの同人誌のように、BOOTHでの自家通販も予定しております。メロンブックスへの書店委託はどうしようかなぁ、と少し悩んでます。


まとめ

そんな感じで一ヶ月色々と準備をしておりました。「書く → 届ける → 続ける」という営みを事業として継続するための土台を一つずつ整えています。

気になった方は、どうか見守っていただければ嬉しいです。

この投稿をSNSでシェア